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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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マスカレイド-3
2007年07月31日 (火)
「さーてと。じゃ、始めるか」
 あたしたちの教室は、放課後は去年発足した将棋同好会の部室として使われていた。クラスメイトがいる中で進路相談ってのはさすがにちょっとってことで、理科準備室に移動した。
 一辺だけが長いH型をした校舎のその突き出した部分に、実験室と並んでその部屋はあった。実験室もそうだけど、危ない薬品なんかも置いてあるから理科の教師だけがカギを持っているという、ちょっと特別な部屋。担任が化学担当だから、今まで何回か入ったことはあった。戸棚の中には新品の試験管やフラスコ、そしてずらりと並んだ大小さまざまなサイズの薬瓶。中には何に使うのかもわからないようなのもあって、見ているだけでも楽しい。勿論、カギが掛かってるから取り出したりはできないんだけど。
「芝口、コーヒー淹れてくれ」
 教室にいるときよりさらにくつろいだ様子で長テーブルに並んだパイプ椅子に座ると、先生はあたしにカギの束を渡した。丸いわっかには大小のカギが五つ。
「その一番小さいヤツな」
 椅子の背に全体重を掛けるようにもたれながら、あたしの手の中のカギを指差した。アルコールランプと変わった形のフラスコと並んで、戸棚の片隅にインスタントコーヒーの瓶と耐熱グラスのマグカップが五つ並んでいるのが見えていた。
「え、開けていいの?」
「おー。俺と一緒のときだけな」
 返ってきた言葉にちょっとウキウキしながら戸棚を開けて、安っぽいプラスティックのお盆に乗ったコーヒーセットを取り出した。部屋の隅の小さな手洗い場(本当は試験管を洗ったりするところだけど)で水を入れてきたフラスコを、マッチで火を点けたアルコールランプの上に乗せる。しばらく待っているとしゅわしゅわと下のほうから小さな泡が湧き出して、そしてそれが徐々に大きくなって行った。
「もういい?」
「ああ」
 あくびしながら先生が頷いた。インスタントコーヒーを入れたマグカップに、アルコールランプの火を消して大きな鍋つかみでフラスコを持ってお湯を注ぐ。普段は何気なくしていることでも、道具が変わると実験みたいでおもしろい。
「お砂糖は?」
「いや、俺はいい」
 ブラックのまま口に運ぶ様子を横目で見ながら、自分のにだけお砂糖とパウダーミルクを二杯ずつ入れていると、先生はぷっと笑った。
「何よー」
「いやいやいや。芝口も女の子だなあって思って」
「あったりまえでしょっ」
 あたしは産まれてきたときから女なのに何を今さらと噛み付いていると、背後でがらりとドアの開く音がした。
「楽しそうだな。俺にもコーヒー」
「お、仁。お疲れー」
 低く聞こえてきた声に硬直するあたしの前で親しげに藤元先生が手を振る。おそるおそる振り返った先には、ファイルを小脇に抱えた佐上先生が立っていた。

 -つづく-
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