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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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マスカレイド-2
2007年07月30日 (月)
「あ、芝口。おまえ、まだ進路調査票出してないだろ。このまま残れ」
「えーっ」
 今日はチカちゃんたちとカラオケ行く約束だったのにー。
 ホームルームが終わった直後のざわついた教室の空中に不服の声を上げると、真っ黒の短い髪をガリガリと掻きながら、藤元先生は「何がえー、だ」と不機嫌に返してきた。
「調査票の提出期限はとっくに切れてるんだぞ。このまま夏休みに入るつもりか。とにかく、今日は絶対に残れ。いいな?」
 それでなくても真っ黒な太い眉をぎゅっとひそめて、先生はあたしを見た。
 普段はみんなの友だちみたいだけど、学生時分には陸上で国体だかインターハイだかへ行ったという迫力のあるガタイを誇る担任は、こう言うときにはささやかな抵抗さえ許してくれない。いかにも熱血系体育教師って見た目だけど実は化学の教師で、しかも結構頭がイイ。白衣よりジャージが似合う化学教師ってのも珍しい。あの太い指でよく試験管握り潰さないよなぁ、ちょっと全体的にゴツすぎるけど、でも割とイイなぁ、なんてあたしは思っていた。
 周囲でもそんな風に思ってるコは多いらしくて、佐上先生と一二を争う……ってほどじゃないけど、でも人気教師のベスト五には確実に入ってると思う。歳は二十九であたしたちと十以上も違うけど、実際より若く見えるのと話題が合って親しみやすいのと、あとまだ結婚してないってのも関係してるのかも。
「はーい、わかりましたー」
 渋々頷くと、背後からぽんと肩を叩かれた。
「あ、残念ー。じゃあ、私たちだけで楽しんでくるね」
「仕方ないね、ビッグの割引って今日までだもんね」
「藤元ちゃんと一対一なんて羨ましー」
「だったら代わってよっ」
 思わず叫んだあたしにチカちゃんはぶーっと唇を尖らせ、そして笑った。
「それはムリー。進路相談がんばってね、春奈」
「ばいばーい」
 楽しそうに笑いながら、心優しい級友たちはあっさりあたしを見捨てて行く。ボーゼンと見送るあたしの肩を藤元先生がぽんと叩いた。
「諦めろ、おまえが悪い」
 ええいっ、馴れ馴れしいっ!

 -つづく-
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