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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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この指を伸ばす先-61
2007年07月24日 (火)
「えっとえーっと、これからどこへ行くのかなあって」
 それでもなんとか意味のある言葉を繋げると、理香は取り繕うように曖昧な笑みを眉をひそめた亮治に向けた。わずかではあるが気弱な部分を見せる理香の態度に、亮治の唇の端が意地悪く歪む。
「心配か?」
「心配?」
 オウム返しの問いかけに亮治は密かに微苦笑を浮かべた。不思議そうに首をかしげる理香に視線を流しながら、からかうようにわざと声を立てて笑う。
「なんだ、心配じゃないのか。どこかへ連れ込まれたらどうするつもりだ」
「えっ、で、でもこれから仕事って……」
 目を丸くする理香に亮治は軽い溜息をついた。
「おまえもいい加減、俺が平気で公私混同する人間だとわかっているだろう。仕事だと嘘をついた可能性もあるんだぞ」
「えっ、そうなんですか?」
 素直に驚く理香に耐え切れず、亮治は吹き出した。肩を揺らし声を上げて笑う。バカにされたと気付いた理香がぷうっと頬を膨らませ睨みつけるが、亮治はそれにも構わず笑い続けた。
「おまえ、そんな性格だったか?」
「どういう意味ですかっ」
「そのまんまの意味だ。理香、もっと用心したほうがいいぞ。世の中悪いヤツだらけなんだからな」
「先輩みたいに?」
「そう、俺みたいに」
 くっくっくとのどの奥で笑いながら、亮治はバックミラーとサイドミラーを交互に確認した。車体に大きく会社名を書いた業務用のワゴンをやり過ごしてから、ウィンカーを出して素早く車線変更をする。そのまま左端に寄り、歩道を横断してその向こうの建物の敷地に入った。どこに行くのかとフロントガラス越しに背の高い建物を見上げた理香がひきっと硬直する。
「な? だから言ったろ」
「な、な、な……」
 おかしそうにくすくす笑いながら地面に描かれた矢印に沿って車をゆっくり進ませる亮治を、握りこぶしをわなわなと震わせた理香が睨みつけた。
「なんでホテルなんですかっ!」

 -つづく-
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