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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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この指を伸ばす先-55
2007年07月10日 (火)
 スイッチの入った携帯電話が最新のJポップを鳴らし始める。ぴくりと肩を震わせると、理香は薄い毛布から右手を伸ばした。
「んー。もう、朝ー?」
 枕元にメガネと並べて置いていた携帯電話を握って引き寄せると、理香はそれをぱちりと開いた。ボタンを押して音楽を止めようとして、首を傾げる。
「あれ……?」
 ライトストーンで囲まれた大きな液晶画面には、携帯電話からの着信であることを示すゼロから始まる十一桁の数字が表示されていた。先ほどの音楽は目覚ましのアラームではなく、電話が掛かってきていたのかとぼんやりと理香は納得した。見知らぬ番号からの着信は普通ならば警戒するのだろうが、理香はアパートに固定電話を引いていないため、携帯電話の番号が社内の書類にも連絡先として掲載されている。社内の人間から電話が掛かってくることも何度かあった。それにしてもこんな早くに誰からだろうかと思いながら、理香は急いで通話ボタンを押した。
「はい、もしもし……?」
「おはよう、理香」
 笑みを含んだ、爽やかとも言える声が返ってくる。理香はしばし手の中の小さな機器を見つめ、そしてもう一度そっと耳に押し当てた。
「あの……。どなた、ですか?」
「どなた? おいおい、俺の声をもう忘れたか」
 そう言われたところで理香に心当たりはない。馴れ馴れしいごく親しい間柄ならではの言葉は、おそらく恋人相手に掛けたつもりなのだろう。男の方からモーニングコールをするとなればアツアツのカップルなのかもしれない。それを羨ましいと思いながらも、理香は番号を間違っていると告げようとした。
「あの、失礼ですが……」
 そこまで言いかけたところで、先ほど『理香』と呼びかけられたことが稲妻のように戻ってくる。
「理香?」
 傲慢な口調、強引な腕。自信に満ちた態度と落ち着いた声。濃い眉の下の、優しそうにも冷酷にも見えるまなざし。どれほど忘れようしても忘れられない、何度も自分を貫き悲鳴を上げさせた激しさ――。
 まさ……か……。
「りょ、りょうじ……せんぱい……?」

 -つづく-
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