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R18 らぶえっち小説Blog
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この指を伸ばす先-29
2007年04月03日 (火)
「そ、そんな……」
 まさかそこまでを望まれるとは思わなかった理香は絶句する。大きく息を吐いてドア越しにいるであろう亮治へ強い視線を向けた。
「そんなことしません!」
「じゃあ、出てこい」
 奇妙なほどに明るい声がクスクスと笑った。不自然なまでに穏やかな亮治の言葉の響きに理香はわずかながら安堵した。亮治がこの状況をどう思っているのかはまではわからないが、理香に対する態度にさほどの変化がないことだけは確かのようだった。それがなぜか希望であるように理香は思う。亮治の知る自分と今の自分にそれほどの違いがないのだと、そう思えるような気がした。
「すぐに行きます。ちょっとだけ、待ってください」
「まあいいだろう。五分以内だ」
 軽い吐息と共にコツコツと固い音がして人の気配が遠のいた。男物の靴音は重く強く響く。平常ならば気付かないはずはないのに、それさえ聞こえないほど没頭していたのかと理香は今さらながら頬を赤らめる。
「もう、なんか、もう……」
 ぶんぶんと頭を振ると、下着や内ももにこびりついた半ば乾いた液体をペーパーで強くこすり、素早く身支度を整えた。パンプスを穿き直しながら立ち上がり、カギを外してドアを押し開ける。一度だけ肩越しにちらりと個室内へ視線を送ってから唇を強く尖らせてドアを抜けた。
「あー、やだやだ」
 照れ隠しにブツブツ言いながら洗面スペースへ走り寄る。洗面ボウル内に手を差し込むと人体を感知したセンサーが、白鳥の首のように長く伸びた蛇口からじゅわっと勢いよく水を吐き出す。普段はあまり使わない液体ソープをたっぷりと使って、理香は執拗なほど丁寧に手首から爪のあいだまでを洗った。丸く合わせた両手に水を溜めて何度もうがいをしてからようやく顔を上げる。
 本当は、顔も身体も洗いたいところだけど。
 冷え切ったショーツと未だにぬめる下腹部を思って理香は顔をしかめながら鏡に向かった。想像したよりも顔色や表情に普段と変りがないことに、ほっと息を吐く。髪留めを外して手櫛で梳き流しながらもう一人の自分へと呟いた。
「これなら……大丈夫かな」
「ああ、大丈夫だな。誰も気付かない」
 ふいに背後からかかった声に理香は慌てて振り返った。

 -つづく-
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