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2007年03月15日 (木)
「誰と誰がって、あなたとマネージャーですよ。お付き合いしてるんでしょう? 違うんですか?」
「違うに決まってるでしょっ」
両こぶしを握りしめて思わず叫んだ理香に、達也が不審そうに眉をしかめる。
「でも、さっき、セックスしてましたよね?」
「えっ、み、見たのっ?」
「見たというか。私が部屋に入ったらちょうど、あなたとマネージャーが、その、ソファで――」
見られてたんだ。
知ってそうとは思ってたけど、でもまさか、見られたなんて。
頬から血が引いて行く貧血に近い感覚に、理香の身体がふらりと揺れた。慌てて両足を踏ん張り体勢を立て直しながら額を押さえ、必死に思考を整えようとしたけれど、理香にはその次の言葉が思いつかない。
「あれは、えっと、そういうんじゃなくって、ええと、その……」
ぴーん。
否定とも言い訳ともつかない言葉を理香が咀嚼するように口内で転がしていると、奇妙なほどに涼しげな合成された鈴の音がエレベータ内に鳴り響いた。
「着きましたよ」
促されるままに理香は四角い箱から降りる。続いて降りてきた達也が理香の手を取り、軽く引いた。
「え、なに? 部屋はこっちでしょ?」
「ええまあ、そうなんですけどね」
進もうとする方向の反対を指して首を傾げる理香に優しい笑顔のまま頷くと、達也は理香の手を引いて歩き出した。ぱちぱちと忙しくまばたきを繰り返し、頭の上にクエスチョンマークを出しながらも、理香は大人しく達也の後を追う。
「こっちです」
大きく一つ頷くと、達也は理香の手をつかんだまま重い鉄製の防火扉を押し開けた。
-つづく-
「違うに決まってるでしょっ」
両こぶしを握りしめて思わず叫んだ理香に、達也が不審そうに眉をしかめる。
「でも、さっき、セックスしてましたよね?」
「えっ、み、見たのっ?」
「見たというか。私が部屋に入ったらちょうど、あなたとマネージャーが、その、ソファで――」
見られてたんだ。
知ってそうとは思ってたけど、でもまさか、見られたなんて。
頬から血が引いて行く貧血に近い感覚に、理香の身体がふらりと揺れた。慌てて両足を踏ん張り体勢を立て直しながら額を押さえ、必死に思考を整えようとしたけれど、理香にはその次の言葉が思いつかない。
「あれは、えっと、そういうんじゃなくって、ええと、その……」
ぴーん。
否定とも言い訳ともつかない言葉を理香が咀嚼するように口内で転がしていると、奇妙なほどに涼しげな合成された鈴の音がエレベータ内に鳴り響いた。
「着きましたよ」
促されるままに理香は四角い箱から降りる。続いて降りてきた達也が理香の手を取り、軽く引いた。
「え、なに? 部屋はこっちでしょ?」
「ええまあ、そうなんですけどね」
進もうとする方向の反対を指して首を傾げる理香に優しい笑顔のまま頷くと、達也は理香の手を引いて歩き出した。ぱちぱちと忙しくまばたきを繰り返し、頭の上にクエスチョンマークを出しながらも、理香は大人しく達也の後を追う。
「こっちです」
大きく一つ頷くと、達也は理香の手をつかんだまま重い鉄製の防火扉を押し開けた。
-つづく-
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