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2007年02月05日 (月)
「美雪さん」
髪を撫でられる感覚に、やわらかな世界から引き戻される。ふわりと漂った温かい香りに目を開けた。
「んー……?」
なんか、いい匂いする……?
シーツに倒れ込んだまま視線だけを上げると、白いお皿を持った彼が見えた。その口にパンのかけらを咥えているのが子どものようで可愛い。手を使わずに器用にぱくんとパンを口の中に入れるとそれをごくんと飲み込んで、そして彼は照れたように笑った。
「ごめん、さすがに腹減って。勝手に冷蔵庫漁った」
「ん、そんなの全然。何か作ったの?」
「ちょっとオムレツをね。美雪さんも食べる?」
トランクス一枚だけの姿で彼はゆっくりとベッドに座った。彼の体重を受けたスプリングが鈍い音を立ててきしんで、左肩の辺りがゆっくりと沈み込んで行く。
「ん、食べるー。たまご好きー」
答えながら起き上がろうとしたけれど、身体に力が入らない。奇妙な筋肉痛に眉をひそめながら両腕で懸命に身体を支えた。ベッド脇のローボードにお皿を置いた彼の強い腕が背中を押し上げてくれて、そしてようやく座ることができた。
「ありがと、シズくん」
身体に掛けられていたシーツをきっちりと胸元に巻き直してから顔を上げると、笑みを含んだまなざしとぶつかった。
「いえいえ。大丈夫? 動ける? ちょっと無茶しちゃったかなー」
「無茶?」
首を傾げて見せると、彼は困ったように笑いながら、ランチョンマット替わりのように両端に淡い黄色のラインの入ったバスタオルをベッドに広げた。その上に持ってきたお皿を二つ並べて置く。真っ白なお皿にはトマトケチャップのかかった大きなオムレツとプリーツレタスが、楕円のお皿には買い置きしてあった朝食用のミニクロワッサンが無造作に積み上げられていた。
どう見ても一人分の量ではないと言うことは、最初から彼はそのつもりで用意をしてくれたと言うことなのだろう。
-つづく-
髪を撫でられる感覚に、やわらかな世界から引き戻される。ふわりと漂った温かい香りに目を開けた。
「んー……?」
なんか、いい匂いする……?
シーツに倒れ込んだまま視線だけを上げると、白いお皿を持った彼が見えた。その口にパンのかけらを咥えているのが子どものようで可愛い。手を使わずに器用にぱくんとパンを口の中に入れるとそれをごくんと飲み込んで、そして彼は照れたように笑った。
「ごめん、さすがに腹減って。勝手に冷蔵庫漁った」
「ん、そんなの全然。何か作ったの?」
「ちょっとオムレツをね。美雪さんも食べる?」
トランクス一枚だけの姿で彼はゆっくりとベッドに座った。彼の体重を受けたスプリングが鈍い音を立ててきしんで、左肩の辺りがゆっくりと沈み込んで行く。
「ん、食べるー。たまご好きー」
答えながら起き上がろうとしたけれど、身体に力が入らない。奇妙な筋肉痛に眉をひそめながら両腕で懸命に身体を支えた。ベッド脇のローボードにお皿を置いた彼の強い腕が背中を押し上げてくれて、そしてようやく座ることができた。
「ありがと、シズくん」
身体に掛けられていたシーツをきっちりと胸元に巻き直してから顔を上げると、笑みを含んだまなざしとぶつかった。
「いえいえ。大丈夫? 動ける? ちょっと無茶しちゃったかなー」
「無茶?」
首を傾げて見せると、彼は困ったように笑いながら、ランチョンマット替わりのように両端に淡い黄色のラインの入ったバスタオルをベッドに広げた。その上に持ってきたお皿を二つ並べて置く。真っ白なお皿にはトマトケチャップのかかった大きなオムレツとプリーツレタスが、楕円のお皿には買い置きしてあった朝食用のミニクロワッサンが無造作に積み上げられていた。
どう見ても一人分の量ではないと言うことは、最初から彼はそのつもりで用意をしてくれたと言うことなのだろう。
-つづく-
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