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2007年01月19日 (金)
「そんなの、人間なんだから当たり前じゃん。寒ければ着るだろ、普通」
「それでもやだーっ」
思わず叫ぶと彼は更に笑った。いったんは止まった指が勢いづいたように次々とブラウスのボタンを外して行く。
「せっかくだし、ちょっと見せてよ。女の人ってどんなの着るの?」
「やだーっ! やだやだ、やだぁっ!」
けれど彼の大きな手は、わたしの身体を暴れる腕ごと抱きしめて、その抵抗を簡単に押さえ込んだ。ブラウスの前を開いて隙間へ視線を走らせる。白のブラウスの下に着るのだからと、上着を脱いだときにも透けないように選んだベージュのシャツを見て、彼は満足そうに頷いた。
「あ、こういうのでも女の人のってちゃんとレース付いてるんだ、可愛い。色はあんまり可愛くないけど」
「だから、やだって言ったのにぃっ」
泣きそうな声になったのは、半分は演技だけれど半分は本気だった。たとえ彼がどう言ってくれたとしても、みっともない姿なのは事実だ。自分でもわかっている。間違っても他人に……それも彼氏に見せていい格好ではない。なのにどんなに訴えても彼は楽しそうに笑うだけだった。わたしの言葉を聞いてくれない、聞き入れてくれない。その情けなさに視界がにじむ。そんなわたしに彼はぎょっとしたように頬を引きつらせた。
「え、美雪さん、泣いてんの? そんなにイヤだった?」
「当たり前でしょっ! シズくんのバカっ!」
彼には、彼にだけは、こんな姿を見られたくなかったのに。
「ごめんね、ちょっと調子に乗った。美雪さんと一緒にいることが嬉しくて、はしゃぎすぎた。ごめんなさい。俺が悪かった」
ちゅっと音を立てて目尻にキスをして、舌先でぺろりと涙を舐め取る。小さな声で『しょっぱ』と呟いて、そしてわたしをなだめるような曖昧な笑みを見せた。
「大丈夫だって。美雪さんはどんなカッコしててもちゃんと可愛いから」
今だってすごく可愛い。そう言いながら彼は頬に額に唇に、軽いキスを繰り返す。
「もう、そんな嘘ばっかり!」
こんな格好が可愛いわけない……のに。
-つづく-
「それでもやだーっ」
思わず叫ぶと彼は更に笑った。いったんは止まった指が勢いづいたように次々とブラウスのボタンを外して行く。
「せっかくだし、ちょっと見せてよ。女の人ってどんなの着るの?」
「やだーっ! やだやだ、やだぁっ!」
けれど彼の大きな手は、わたしの身体を暴れる腕ごと抱きしめて、その抵抗を簡単に押さえ込んだ。ブラウスの前を開いて隙間へ視線を走らせる。白のブラウスの下に着るのだからと、上着を脱いだときにも透けないように選んだベージュのシャツを見て、彼は満足そうに頷いた。
「あ、こういうのでも女の人のってちゃんとレース付いてるんだ、可愛い。色はあんまり可愛くないけど」
「だから、やだって言ったのにぃっ」
泣きそうな声になったのは、半分は演技だけれど半分は本気だった。たとえ彼がどう言ってくれたとしても、みっともない姿なのは事実だ。自分でもわかっている。間違っても他人に……それも彼氏に見せていい格好ではない。なのにどんなに訴えても彼は楽しそうに笑うだけだった。わたしの言葉を聞いてくれない、聞き入れてくれない。その情けなさに視界がにじむ。そんなわたしに彼はぎょっとしたように頬を引きつらせた。
「え、美雪さん、泣いてんの? そんなにイヤだった?」
「当たり前でしょっ! シズくんのバカっ!」
彼には、彼にだけは、こんな姿を見られたくなかったのに。
「ごめんね、ちょっと調子に乗った。美雪さんと一緒にいることが嬉しくて、はしゃぎすぎた。ごめんなさい。俺が悪かった」
ちゅっと音を立てて目尻にキスをして、舌先でぺろりと涙を舐め取る。小さな声で『しょっぱ』と呟いて、そしてわたしをなだめるような曖昧な笑みを見せた。
「大丈夫だって。美雪さんはどんなカッコしててもちゃんと可愛いから」
今だってすごく可愛い。そう言いながら彼は頬に額に唇に、軽いキスを繰り返す。
「もう、そんな嘘ばっかり!」
こんな格好が可愛いわけない……のに。
-つづく-
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