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2006年12月11日 (月)
「ここまで喜んでもらえるとは予想してなかった。俺が初めてなんて、感激」
まだ少し動揺が残ったような表情で、それでも嬉しそうに彼は頷いた。
「でも、次もちゃんと喜んでもらえるようなものって、ハードル高いなー」
カリカリと頭を掻くと、彼はわざとらしく溜息をついてみせる。その様子に笑ってしまう。
「いいのを買ってくれるのよね?」
わたしの軽口が珍しかったのか、彼は一瞬驚いたように目を見開いて、そしてくすりと笑った。
「うん、勿論。いいの買おう。一番いいの。俺、頑張るから。今度は美雪さんのために頑張るから」
指輪の嵌った指を彼が手に取る。軽く押し付けられる唇。指のあいだにふと触れた舌にゾクゾクする。
「楽しみにしてるからね。嘘ついたらいやだからね」
「嘘ついたら刺していいよ。期待してて」
見つめ合って、笑い合う。やわらかく細まっていた彼のまなざしが、一瞬ひどく真面目になった。
「ね、美雪さん」
握っていた手を引き寄せられて、抱きしめられる。細い指にあごを押し上げられた。軽く開いた唇が寄せられて口付けられる。
「んっ……」
軽く胸を押し返すと、むきになったように抱きしめてくる。ぬるりと入り込んできた舌に絡め取られて息ができない。遊ぶように強く吸い上げられていた舌が解放されて大きく息をついた瞬間、ひざ裏に回った手に軽々と抱き上げられた。
「え、あっ? ちょ、ちょっと! シズくん、仕事はっ?」
「今日は九時入りだからまだ大丈夫。というか、そんな目で俺を煽っておいて、このまま帰れって?」
「煽ってなんか……」
反論しかけた唇も塞がれる。声ごと絡め取られて抵抗ができなくなる。
「すごいね、美雪さんって。相変わらず無自覚」
くすくす笑いながらも彼の脚は真っ直ぐベッドへ向かう。一歩進むごとに左右に揺れる不安定さに、思わず彼の首にしがみつく。そんなわたしに彼が低く笑った。
「美雪さん、かわいい」
ゆっくりとベッドに下ろされる。身動きすることさえもできないまま、じっと彼を見上げた。逆光で影になった中で薄く光る彼のまなざし。
-つづく-
まだ少し動揺が残ったような表情で、それでも嬉しそうに彼は頷いた。
「でも、次もちゃんと喜んでもらえるようなものって、ハードル高いなー」
カリカリと頭を掻くと、彼はわざとらしく溜息をついてみせる。その様子に笑ってしまう。
「いいのを買ってくれるのよね?」
わたしの軽口が珍しかったのか、彼は一瞬驚いたように目を見開いて、そしてくすりと笑った。
「うん、勿論。いいの買おう。一番いいの。俺、頑張るから。今度は美雪さんのために頑張るから」
指輪の嵌った指を彼が手に取る。軽く押し付けられる唇。指のあいだにふと触れた舌にゾクゾクする。
「楽しみにしてるからね。嘘ついたらいやだからね」
「嘘ついたら刺していいよ。期待してて」
見つめ合って、笑い合う。やわらかく細まっていた彼のまなざしが、一瞬ひどく真面目になった。
「ね、美雪さん」
握っていた手を引き寄せられて、抱きしめられる。細い指にあごを押し上げられた。軽く開いた唇が寄せられて口付けられる。
「んっ……」
軽く胸を押し返すと、むきになったように抱きしめてくる。ぬるりと入り込んできた舌に絡め取られて息ができない。遊ぶように強く吸い上げられていた舌が解放されて大きく息をついた瞬間、ひざ裏に回った手に軽々と抱き上げられた。
「え、あっ? ちょ、ちょっと! シズくん、仕事はっ?」
「今日は九時入りだからまだ大丈夫。というか、そんな目で俺を煽っておいて、このまま帰れって?」
「煽ってなんか……」
反論しかけた唇も塞がれる。声ごと絡め取られて抵抗ができなくなる。
「すごいね、美雪さんって。相変わらず無自覚」
くすくす笑いながらも彼の脚は真っ直ぐベッドへ向かう。一歩進むごとに左右に揺れる不安定さに、思わず彼の首にしがみつく。そんなわたしに彼が低く笑った。
「美雪さん、かわいい」
ゆっくりとベッドに下ろされる。身動きすることさえもできないまま、じっと彼を見上げた。逆光で影になった中で薄く光る彼のまなざし。
-つづく-
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