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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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花を召しませ-66
2006年11月18日 (土)
 彼の話は、結論から言えば『父親の借金が残っているからパトロンと今はまだ別れられない』と言うものだった。
 彼のパトロンは、いわゆるバツイチ独身の女社長で、かなり羽振りがいいらしい。週に一度か二度の逢瀬を条件に、月に換算すれば四十から五十万円の手当てと、それ以外の呼び出しには別にそれなりの金額を渡すと言う。彼が乗っているスポーツカーも『いつでも駆けつけられるように』との彼女の意向で買い与えられたものらしい。そして彼女から貰う金額の殆どが、父親の借金返済に回っている、とのことだった。
「うーん、つまり、お金のことがあるから社長サンとは別れない、と」
 事情が事情と言うことでさすがに強く出られないらしく、やや穏やかになった口調で呟くように言いながら、有理は短くなったタバコをガラス製の灰皿で押し潰した。
「でも、美雪は美雪でキープしておきたいってワケだ。シズとしては」
 それでも消えない皮肉混じりの彼女の言葉に、シズくんはちらりとわたしを見て、そして申し訳なさそうに目を伏せた。
「そんなつもりじゃないんですけど……でもそういうことになっちゃいます、かね」
「そうね。そっちのほうが都合いいもんね」
「おい、有理。だからさ、シズの立場も考えて――」
「アンタは黙ってて!」
 叩き付けるように返ってきた反応に、オーナーは首をすくめた。有理のほうがずっと年下なのに、これは思っていたよりずっと尻に敷かれてるなあ、なんて、他人の事を気に掛けている余裕なんてわたしにはない筈なのだけれど。
「お金かあ……」
 言いながら有理は新しいタバコに火を点けて、ふーっと大量の煙を吐き出した。ガリガリと後頭部を掻きながら唇を歪ませて、うーんと口の中で唸る。
「お金はあたしも持ってないし、アンタもこの店の借金あるもんねえ」
 ちろりとオーナーへと視線を向けて、有理は深く溜息をついた。なぜかオーナーが情けなそうに頷きながらシズくんへと目だけを向ける。
「多少なら給料上げてやってもいいけど……」
「あ、いや。そんな、全然。いいです、そんなこと」
 慌てたようにシズくんは言う。

  -つづく-
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