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2006年10月21日 (土)
「あー、すげー気持ちよかったあ」
部屋に備え付けてあった避妊具を二つ使い終わると、彼はそれをティッシュでくるんでゴミ箱に捨て、ごろりとベッドに寝転がった。
そんな様子を視界の端ギリギリに見ながら、未だ整わない息に肩を揺らせたままわたしはシーツに沈み込んだ。ひりひりと痛む初めての感覚に戸惑いながら眼を閉じる。髪を撫ぜられてゆっくりまぶたを上げると、すぐそばに彼の優しいまなざしがあった。不意打ちのような軽いキスに反射的に眼を閉じる。
「ありがと。我慢してくれて」
「ううん」
囁く声に首を振った。
「望んだのは、わたしだから」
「そうなるように仕掛けたのは俺だし」
そろりと脇腹からお尻へと流れて行く大きな手のひらに思わず身を震わせると、彼は軽く笑ってわたしを抱き寄せた。広い胸に頬を寄せて眼を閉じると、思考が取りとめもなく拡散して行くのがわかる。
そう言えば今は何時だろう。すごく眠い。待ち合わせたのが七時で、今日は食事してからホテルに入ったことを考えると九時くらいだろうか。そんなことをぼんやりと考えていると、頬を滑る指先にほんの少し意識が浮き上がった。
――わたし、今、ちょっと寝てた?
「ね、美雪さん。聞いてる?」
「んん、なあに?」
唐突に振ってきた低い声に顔を上げた。寝ぼけまなこのわたしを見て彼はちょっとだけ笑って、そして顔にかかっていた髪をゆっくりと梳き上げてくれる。
「あのさ」
「うん」
「本当のこと、訊きたい?」
本当のこと、という言葉の意味はわからなかった。だからわたしは黙って彼を見上げた。彼はほんの少し、苦そうに笑って溜息をついた。
-つづく-
部屋に備え付けてあった避妊具を二つ使い終わると、彼はそれをティッシュでくるんでゴミ箱に捨て、ごろりとベッドに寝転がった。
そんな様子を視界の端ギリギリに見ながら、未だ整わない息に肩を揺らせたままわたしはシーツに沈み込んだ。ひりひりと痛む初めての感覚に戸惑いながら眼を閉じる。髪を撫ぜられてゆっくりまぶたを上げると、すぐそばに彼の優しいまなざしがあった。不意打ちのような軽いキスに反射的に眼を閉じる。
「ありがと。我慢してくれて」
「ううん」
囁く声に首を振った。
「望んだのは、わたしだから」
「そうなるように仕掛けたのは俺だし」
そろりと脇腹からお尻へと流れて行く大きな手のひらに思わず身を震わせると、彼は軽く笑ってわたしを抱き寄せた。広い胸に頬を寄せて眼を閉じると、思考が取りとめもなく拡散して行くのがわかる。
そう言えば今は何時だろう。すごく眠い。待ち合わせたのが七時で、今日は食事してからホテルに入ったことを考えると九時くらいだろうか。そんなことをぼんやりと考えていると、頬を滑る指先にほんの少し意識が浮き上がった。
――わたし、今、ちょっと寝てた?
「ね、美雪さん。聞いてる?」
「んん、なあに?」
唐突に振ってきた低い声に顔を上げた。寝ぼけまなこのわたしを見て彼はちょっとだけ笑って、そして顔にかかっていた髪をゆっくりと梳き上げてくれる。
「あのさ」
「うん」
「本当のこと、訊きたい?」
本当のこと、という言葉の意味はわからなかった。だからわたしは黙って彼を見上げた。彼はほんの少し、苦そうに笑って溜息をついた。
-つづく-
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