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2006年10月09日 (月)
バカな女だと思われているだろうか。
黙って服を脱ぎ捨てる彼の後ろ姿を、ベッドに寝転んだまま見つめた。
カチリと独特の音がして、彼が取り出した携帯電話を開いたのがわかった。そのままじっと画面を見つめている。一度だけ溜息をついて、それでも何もなかったふうで電話をベッドサイドに置くと、近くにあった陶器の皿へと手を伸ばした。彼の手に渡る、真四角の薄いもの。
それがなんなのかを認識した瞬間、かあっと頬に血が上るのがわかった。
彼はわたしに黙っていることがあると、そう言った。騙されていることを承知の上で、彼を受け入れようと処女を失おうとしているわたしは、バカだろうか。もしも誰かに――たとえば有理に話したとしたら、嘲笑われてしまうだろうか。
「ごめん。お待たせ」
そのとき、彼がこちらに振り返った。彼の中心で強く屹立したものがまず目に入って、慌てて顔を伏せる。そんなわたしの様子に彼は少し笑みを漏らすと、ベッドに上がった。スプリングを軋ませながらひざで歩いてきた彼の手が顔の真横に置かれて、知らず知らずにシーツを握りしめる。
「――怖い?」
「ううん」
低くかすれる彼の声にそう応えたけれど、でも語尾が震えてしまう。覆い被さるように素肌で抱きしめられると、鼓動がいつもの倍の速度で動き出した。口から心臓が飛び出てきそうな気がする。
「できるだけ優しくするから。美雪さんは、力抜いて楽にしてて」
言いながら肩からゆっくり撫でてくれる。でも楽にと言われても、どうすればいいのかわからない。いつものように彼の唇に優しく肌を辿られても、緊張で感じるどころではなくて。
「そんなに固くならないで。大丈夫、だから」
ちゅっと音を立てて胸元を強く吸い上げられた。
-つづく-
黙って服を脱ぎ捨てる彼の後ろ姿を、ベッドに寝転んだまま見つめた。
カチリと独特の音がして、彼が取り出した携帯電話を開いたのがわかった。そのままじっと画面を見つめている。一度だけ溜息をついて、それでも何もなかったふうで電話をベッドサイドに置くと、近くにあった陶器の皿へと手を伸ばした。彼の手に渡る、真四角の薄いもの。
それがなんなのかを認識した瞬間、かあっと頬に血が上るのがわかった。
彼はわたしに黙っていることがあると、そう言った。騙されていることを承知の上で、彼を受け入れようと処女を失おうとしているわたしは、バカだろうか。もしも誰かに――たとえば有理に話したとしたら、嘲笑われてしまうだろうか。
「ごめん。お待たせ」
そのとき、彼がこちらに振り返った。彼の中心で強く屹立したものがまず目に入って、慌てて顔を伏せる。そんなわたしの様子に彼は少し笑みを漏らすと、ベッドに上がった。スプリングを軋ませながらひざで歩いてきた彼の手が顔の真横に置かれて、知らず知らずにシーツを握りしめる。
「――怖い?」
「ううん」
低くかすれる彼の声にそう応えたけれど、でも語尾が震えてしまう。覆い被さるように素肌で抱きしめられると、鼓動がいつもの倍の速度で動き出した。口から心臓が飛び出てきそうな気がする。
「できるだけ優しくするから。美雪さんは、力抜いて楽にしてて」
言いながら肩からゆっくり撫でてくれる。でも楽にと言われても、どうすればいいのかわからない。いつものように彼の唇に優しく肌を辿られても、緊張で感じるどころではなくて。
「そんなに固くならないで。大丈夫、だから」
ちゅっと音を立てて胸元を強く吸い上げられた。
-つづく-
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