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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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花を召しませ-31
2006年09月13日 (水)
「それじゃ、また。連絡するから」
 誰かに見られたらどうするのかと身をすくませるわたしをからかうように、アパート前の道の端に停めた車内で奪うような深いキスをしてから、彼は低い排気音と共に去って行った。見送るわたしへの合図のように、二度赤くランプを光らせて、黒い車体は曲がり角の先に消える。それを茫然と見送って夢心地のまま部屋に戻った。
 いつものようにスタンドライトを付けてベッドへ座った。毎日の習慣で手元のリモコンでテレビの電源を入れる。朝、出社前に見ていたチャンネルのまま映像が流れた。男前だけれどコメディアスな雰囲気がウリの、いわゆる二枚目半の芸能人がハイテンションで喋っていた。見慣れたその人のお洒落な髪型やスタイルはカッコいいと思うけれど。
「でもやっぱり、シズくんのほうがいい……かな?」
 思わず呟いてから赤面した。我ながら重症だと思うと同時におかしくなる。恋愛に浮かれるなんて、なんてバカで幸せなのだろう。
「大丈夫かな。間に合ったのかな」
 ホテルを出てからアパートに送ってくれる途中にも電話は掛かってきた。パーティは既に始まっているのにと文句を言っているのが、聞き耳を立てる必要もないほどの音量で聞こえた。
「わかってる。今そっちに向かってるから」
 延々と続きそうな電話相手の抗議をその一言で簡単に切って、そして彼は携帯電話の電源を落とした。
 気の強い人でさ、俺も困ってんだけど。
 言いながら曖昧な笑顔を見せたのは、わたしに対する気配りか、それとも言い訳か。彼の言葉の全てが嘘だとは思わないけれど、気にしたところで仕方ないけれど、信じたいけれど、それでも。
 あの声は話し方は……本当に『おばさん』なんて年齢?

  -つづく-
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