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2006年06月22日 (木)
翌朝、ママは帰っていなかった。
あたしはトーストとカップヨーグルトの朝食を摂って、学校へ行った。お弁当の用意はできなかったから、駅前のコンビニでハムとチーズのサンドウィッチとさつま芋のパンを買った。
授業が終わると、図書室の自習コーナーで二時間ほど今日の復習をして、アルバイト先のお店のあるスーパーに寄って、特売品をぐるりと見て回る。いいものがあったら買って帰って、ママが帰っていれば二人分の食事を作って、独りなら適当に何かを食べる。そのあとはテレビを見ることもあるし、勉強をすることもある。テスト前じゃなかったら十一時くらいに寝る。
そんな平凡な毎日がしばらく続いていた、ある日のことだった。
「そう言えば最近、ユーキさんから電話かかってこないなー」
やっぱり忙しいのかな?
ぶつぶつ言いながら真っ暗な道をあたしは歩いていた。
今日はお惣菜が全然残ってなかったから、白いナイロン袋の中身は、半額シールが貼られていたサンドウィッチのパックと野菜ジュースだけ。これだけじゃ大食いのあたしは全然足りないんだけど、でも確か冷凍のグラタンが残ってた筈だから、それを足して晩御飯にすれば充分かな。料理作るのはキライじゃないんだけど、でも一人分ってやる気失せちゃう。誰も美味しいって言ってくれないし。……当たり前だけど。
「つまんないよー」
食べたら勉強しようかな。一応あたし受験生だし、夏までにもうちょっと成績上げといたほうがいいかなあ。それにしても、ホントにユーキさんから連絡ないなー。なんか不安になってくるなー。ママも忙しいみたいで帰ってきても寝てるだけだし、なんかちょっとここんとこ、寂しい。
いろんなことを同時に考えながらうわのそらで歩いても、周囲が真っ暗でも、家への慣れた道は間違えない……筈、だよね? 間違えないよね? なんでここが行き止まり?
まじまじと目の前の壁を見つめる。家への道を塞ぐようにそそり立った壁、もとい、大きくて真っ黒な自動車のボディ。
こんなところに普通、車を停める? なに考えてんの? バカ?
あんぐりと口を開けていると、スルスルと窓が開いた。現れたのは、きれいにお化粧をした女の人。
「こんばんは、お嬢さん」
-つづく-
あたしはトーストとカップヨーグルトの朝食を摂って、学校へ行った。お弁当の用意はできなかったから、駅前のコンビニでハムとチーズのサンドウィッチとさつま芋のパンを買った。
授業が終わると、図書室の自習コーナーで二時間ほど今日の復習をして、アルバイト先のお店のあるスーパーに寄って、特売品をぐるりと見て回る。いいものがあったら買って帰って、ママが帰っていれば二人分の食事を作って、独りなら適当に何かを食べる。そのあとはテレビを見ることもあるし、勉強をすることもある。テスト前じゃなかったら十一時くらいに寝る。
そんな平凡な毎日がしばらく続いていた、ある日のことだった。
「そう言えば最近、ユーキさんから電話かかってこないなー」
やっぱり忙しいのかな?
ぶつぶつ言いながら真っ暗な道をあたしは歩いていた。
今日はお惣菜が全然残ってなかったから、白いナイロン袋の中身は、半額シールが貼られていたサンドウィッチのパックと野菜ジュースだけ。これだけじゃ大食いのあたしは全然足りないんだけど、でも確か冷凍のグラタンが残ってた筈だから、それを足して晩御飯にすれば充分かな。料理作るのはキライじゃないんだけど、でも一人分ってやる気失せちゃう。誰も美味しいって言ってくれないし。……当たり前だけど。
「つまんないよー」
食べたら勉強しようかな。一応あたし受験生だし、夏までにもうちょっと成績上げといたほうがいいかなあ。それにしても、ホントにユーキさんから連絡ないなー。なんか不安になってくるなー。ママも忙しいみたいで帰ってきても寝てるだけだし、なんかちょっとここんとこ、寂しい。
いろんなことを同時に考えながらうわのそらで歩いても、周囲が真っ暗でも、家への慣れた道は間違えない……筈、だよね? 間違えないよね? なんでここが行き止まり?
まじまじと目の前の壁を見つめる。家への道を塞ぐようにそそり立った壁、もとい、大きくて真っ黒な自動車のボディ。
こんなところに普通、車を停める? なに考えてんの? バカ?
あんぐりと口を開けていると、スルスルと窓が開いた。現れたのは、きれいにお化粧をした女の人。
「こんばんは、お嬢さん」
-つづく-
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