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2006年05月06日 (土)
ひじで胸を押し返しながら暴れると、彼は明るくあははと笑った。
「そんなに怒るほどのことじゃないだろ?」
「とにかく放してっ!」
「わかったわかった。でも一つお願いがあるんだけど、いい?」
図々しい言葉に呆れて見返すと、彼はくすっと笑った。その目元が唇の感じがあごのラインが、ものすごく似てて、似過ぎてるくらいで、もうっ!
「……わかったわよ」
あああ、あたしってバカっ!!
「もしもし、ママ? あ、バイトはさっき終わったんだけど、帰りに友だちに会っちゃって、そんでちょっとお茶でもって話になって……。あ、うん。それは大丈夫。うん、気をつける。ママもお仕事頑張ってね」
ぱちりと携帯電話を閉じると、隣の席の『バイトの帰りに出会った友だち』に視線を向けた。
「これでいいんでしょ?」
「うん、完璧」
彼はちらりとあたしを横目で見ると、唇の端だけで微笑った。そう言う表情をすると似すぎるから、ホントにやめて欲しい。
「あのさあ、あなたってユーキさんのお兄さんなんでしょ? なんであたしにこう言うことばっかりするの?」
「確かに和真は弟だけど。あ、俺は司。よろしく」
「あ、うん。よろしく」
信号が変わった隙を狙ったように差し出された左手を、なぜかおとなしく握り返してしまう。何やってんだろあたしとも思うけど、でも彼はあたしのそんな行動を揶揄することもなく、その視線は真正面を向いたまま。その横顔をそっと見る。
つかさ、かぁ。
身長や体型がユーキさんと似てるからごまかされちゃうけど、でも違う。髪が全体的に長くて、前は眉を隠してるし横は耳に後ろは衿にかかってる。ちょっとだけど声がユーキさんより低い。細い銀縁のメガネかけてるのが決定的かも。目も二重でユーキさんよりおっきい。
これだけ違うところがあるのに、それでも一瞬間違えるくらいに似てるってのは逆にすごいかも、なんて思った。
-つづく-
「そんなに怒るほどのことじゃないだろ?」
「とにかく放してっ!」
「わかったわかった。でも一つお願いがあるんだけど、いい?」
図々しい言葉に呆れて見返すと、彼はくすっと笑った。その目元が唇の感じがあごのラインが、ものすごく似てて、似過ぎてるくらいで、もうっ!
「……わかったわよ」
あああ、あたしってバカっ!!
「もしもし、ママ? あ、バイトはさっき終わったんだけど、帰りに友だちに会っちゃって、そんでちょっとお茶でもって話になって……。あ、うん。それは大丈夫。うん、気をつける。ママもお仕事頑張ってね」
ぱちりと携帯電話を閉じると、隣の席の『バイトの帰りに出会った友だち』に視線を向けた。
「これでいいんでしょ?」
「うん、完璧」
彼はちらりとあたしを横目で見ると、唇の端だけで微笑った。そう言う表情をすると似すぎるから、ホントにやめて欲しい。
「あのさあ、あなたってユーキさんのお兄さんなんでしょ? なんであたしにこう言うことばっかりするの?」
「確かに和真は弟だけど。あ、俺は司。よろしく」
「あ、うん。よろしく」
信号が変わった隙を狙ったように差し出された左手を、なぜかおとなしく握り返してしまう。何やってんだろあたしとも思うけど、でも彼はあたしのそんな行動を揶揄することもなく、その視線は真正面を向いたまま。その横顔をそっと見る。
つかさ、かぁ。
身長や体型がユーキさんと似てるからごまかされちゃうけど、でも違う。髪が全体的に長くて、前は眉を隠してるし横は耳に後ろは衿にかかってる。ちょっとだけど声がユーキさんより低い。細い銀縁のメガネかけてるのが決定的かも。目も二重でユーキさんよりおっきい。
これだけ違うところがあるのに、それでも一瞬間違えるくらいに似てるってのは逆にすごいかも、なんて思った。
-つづく-
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