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2006年04月28日 (金)
「最近?」
「うん」
短く返ってきた肯定の言葉に、あたしは濡れた手を拭きながら視線を天井に向けた。
ひとりえっちの直後は、いつもちょっと複雑な気分になる。さっきまでの感覚が身体の奥に残っているのも気恥ずかしい。ユーキさんと一緒だったらその気だるさも嬉しいんだけど。
ユーキさんはそういうの、どうなのかな。何も思わないのかな。
「毎週テストがあるから、ちょっと大変は大変かな。アルバイトも休みがちだし」
「そっか。両立は難しいよね」
妙にしみじみ頷くユーキさんは、多分、自分と重ねてるんだと思う。でもあたしはそこそこの点数を取ればいいだけだから、ユーキさんほどの責任も重圧もないし、同じ立場じゃないんだけど。
「まあ、バイトは、あたしがいなくても誰も困らないし」
「そんなことないよ。千紗ちゃんがいたほうがいいに決まってるよ」
全然わかってないくせになんで断言するんだろ、とは思うけど、でもちょっと嬉しい。ユーキさんはいつだってあたしの味方でいてくれるんだって思って、嬉しい。
「俺も千紗ちゃんと一緒に仕事とか、してみたいなあ」
溜息混じりのユーキさんの言葉に思わず笑うと、ムッとしたような気配が伝わってきた。多分、唇を尖らせてるんだろう。言ったら嫌がるだろうから言わないけど、ユーキさんが拗ねたときの顔はどこか子どもっぽくて可愛いから、あたしは結構好き。
「何で笑うの。俺、結構本気なんだけど」
「ユーキさんもアルバイトする? スーパーのお惣菜屋さん、時給七百二十円」
「いや、それでもいいんだけどさ」
苦笑混じりの声が返ってきた。
もしも、ユーキさんがスーパーのお惣菜屋さんの店先に立ったら。
ひらがなで店名の書かれた赤いエプロン姿でジーンズにスニーカー。高野豆腐の煮付けやほうれん草のおひたしの入ったパックを手に、お客さんに向かってにっこり笑うユーキさん。それを想像してあたしはぷっと吹き出してしまった。
-つづく-
「うん」
短く返ってきた肯定の言葉に、あたしは濡れた手を拭きながら視線を天井に向けた。
ひとりえっちの直後は、いつもちょっと複雑な気分になる。さっきまでの感覚が身体の奥に残っているのも気恥ずかしい。ユーキさんと一緒だったらその気だるさも嬉しいんだけど。
ユーキさんはそういうの、どうなのかな。何も思わないのかな。
「毎週テストがあるから、ちょっと大変は大変かな。アルバイトも休みがちだし」
「そっか。両立は難しいよね」
妙にしみじみ頷くユーキさんは、多分、自分と重ねてるんだと思う。でもあたしはそこそこの点数を取ればいいだけだから、ユーキさんほどの責任も重圧もないし、同じ立場じゃないんだけど。
「まあ、バイトは、あたしがいなくても誰も困らないし」
「そんなことないよ。千紗ちゃんがいたほうがいいに決まってるよ」
全然わかってないくせになんで断言するんだろ、とは思うけど、でもちょっと嬉しい。ユーキさんはいつだってあたしの味方でいてくれるんだって思って、嬉しい。
「俺も千紗ちゃんと一緒に仕事とか、してみたいなあ」
溜息混じりのユーキさんの言葉に思わず笑うと、ムッとしたような気配が伝わってきた。多分、唇を尖らせてるんだろう。言ったら嫌がるだろうから言わないけど、ユーキさんが拗ねたときの顔はどこか子どもっぽくて可愛いから、あたしは結構好き。
「何で笑うの。俺、結構本気なんだけど」
「ユーキさんもアルバイトする? スーパーのお惣菜屋さん、時給七百二十円」
「いや、それでもいいんだけどさ」
苦笑混じりの声が返ってきた。
もしも、ユーキさんがスーパーのお惣菜屋さんの店先に立ったら。
ひらがなで店名の書かれた赤いエプロン姿でジーンズにスニーカー。高野豆腐の煮付けやほうれん草のおひたしの入ったパックを手に、お客さんに向かってにっこり笑うユーキさん。それを想像してあたしはぷっと吹き出してしまった。
-つづく-
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