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2005年12月16日 (金)
それからもあたしたちは、憑かれたように何回もセックスをした。汗まみれの身体をすり合わせて貪欲に快楽を貪りあった。
彼氏はいつも正常位でのしかかってくるだけだから、あたしは他の体位を知らない。ソファの背もたれに捕まって、後ろから激しく攻められるのはすごくよかった。後ろからされると、ぐちゃぐちゃになった顔を見られる心配もないから、そのことを全然気にしないで思いっきり乱れられるってことに気付いたのは、思わぬ収穫だった。でもそれ以上に、動物の交尾みたいなあの体勢が本当に犯されてるっぽくて、あたしこんなことされちゃってると思うと興奮した。
騎乗位のときの腰の使いかたなんかも教えてもらったけど、あたしは言われたように全然動けなくて、結局は彼に下からガンガン突き上げられて一人でイっただけだった。あたしってホントに何にも知らない上に、ヘタ。
それに比べて、テクニックをいっぱい持ってて何回でも相手をイかせることができるユーキさんが羨ましい。そうユーキさんに言ったら男と女の違いだって笑われた。
男はそんな何回もイけないんだよ。そう言っておかしそうにユーキさんは笑ったけど、ユーキさんを見てる限り、そうは思えない。出した直後でも、ちょっと舐めてあげるとすぐに回復する。肩幅とかは広くてお腹も締まってるけど、でもどっちかというと細身で、すごい筋肉な身体じゃないのに、疲れ知らずっていうか、本当にタフ。
だから、二時間の休憩時間を一時間以上延長してホテルを出たときには、もうあたしはヘロヘロになっていた。彼の支えがないと立ってられないぐらいで、助手席になんとか乗り込んだあとは記憶がない。起こされたときはもう家の近くの公園前だった。
「着いたよ、千紗ちゃん」
「え、あ。あ、はい」
目を開けて口元をこぶしでこすりながら慌てて起き上がると、ユーキさんは笑みを残した目であたしを見ていた。音楽とかはかかってなくて、エアコンが温風を吐き出す微かな音だけが聞こえる。ふんわりとオレンジみたいな柑橘系の香りが漂っている。多分、ユーキさんがつけている香水か整髪料の匂いだと思う。爽やかで少し甘い。
「千紗ちゃん。また、俺と逢ってくれる?」
寝起きのボケた頭にストレートな言葉は、逆に意味がわからなかった。黙ったまま何回かまばたきをした。
-つづく-
彼氏はいつも正常位でのしかかってくるだけだから、あたしは他の体位を知らない。ソファの背もたれに捕まって、後ろから激しく攻められるのはすごくよかった。後ろからされると、ぐちゃぐちゃになった顔を見られる心配もないから、そのことを全然気にしないで思いっきり乱れられるってことに気付いたのは、思わぬ収穫だった。でもそれ以上に、動物の交尾みたいなあの体勢が本当に犯されてるっぽくて、あたしこんなことされちゃってると思うと興奮した。
騎乗位のときの腰の使いかたなんかも教えてもらったけど、あたしは言われたように全然動けなくて、結局は彼に下からガンガン突き上げられて一人でイっただけだった。あたしってホントに何にも知らない上に、ヘタ。
それに比べて、テクニックをいっぱい持ってて何回でも相手をイかせることができるユーキさんが羨ましい。そうユーキさんに言ったら男と女の違いだって笑われた。
男はそんな何回もイけないんだよ。そう言っておかしそうにユーキさんは笑ったけど、ユーキさんを見てる限り、そうは思えない。出した直後でも、ちょっと舐めてあげるとすぐに回復する。肩幅とかは広くてお腹も締まってるけど、でもどっちかというと細身で、すごい筋肉な身体じゃないのに、疲れ知らずっていうか、本当にタフ。
だから、二時間の休憩時間を一時間以上延長してホテルを出たときには、もうあたしはヘロヘロになっていた。彼の支えがないと立ってられないぐらいで、助手席になんとか乗り込んだあとは記憶がない。起こされたときはもう家の近くの公園前だった。
「着いたよ、千紗ちゃん」
「え、あ。あ、はい」
目を開けて口元をこぶしでこすりながら慌てて起き上がると、ユーキさんは笑みを残した目であたしを見ていた。音楽とかはかかってなくて、エアコンが温風を吐き出す微かな音だけが聞こえる。ふんわりとオレンジみたいな柑橘系の香りが漂っている。多分、ユーキさんがつけている香水か整髪料の匂いだと思う。爽やかで少し甘い。
「千紗ちゃん。また、俺と逢ってくれる?」
寝起きのボケた頭にストレートな言葉は、逆に意味がわからなかった。黙ったまま何回かまばたきをした。
-つづく-
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