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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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あなたは知らない-18
2011年12月20日 (火)
「それでは」
 目をそらすような気分で軽く頭を下げて自席に戻った。
 ――主任って、結構評判いいよね。
 本人に確かめたことはないからはっきりとは知らないけれど、主任はわたしより二つか三つ、あるいは四つくらい歳が上だろう。特別付き合いがないわけでもなければ、特別な付き合いがあるわけでもない。誰とでも雑談に気軽に応じるタイプだし、お酒の席も決して嫌いではないようだから、友人は多いだろう。彼女がいるかどうかは知らないけれど、いたとしても不思議じゃない。わたしだって、課長とのことがなければいいなと素直に思っただろう。
「さぁって、と」
 束になった書類を確認しながらそれでもちらりと顔を上げると、主任は眉をひそめたままネクタイを緩めていた。真剣な目が鋭くディスプレーを睨みつけているのを見て、無意識で溜息をついてしまう。ケースから出した資料を入力順に分類しながらも、ひそかにその仕草を凝視した。
 スーツは男っぷりが三割増しになると言われるけれど、それよりも魅力的なのは、その端正な姿が崩れる瞬間だった。そんな目を向けているのはわたしだけかもしれないけれど、緩んだ衿元やまくり上げた袖口は仕事に没頭してるがゆえの隙のように見える。後ろからそっと近づいて抱きついたら驚くかな、その顔が見たいな、なんて、バカげた衝動が胸の内から湯気のようにふわりと浮いてくる。
 ――この顔で意外と、主任もイジワル系の人だったりして。
 手元の書類を確認しながら、本人が聞けば勝手に人の性癖を決めるなと怒られそうな言葉をつぶやき、これから入力する資料を手元に広げてキーボードを叩き始める。至極まともそうな課長があんな感じだったのだから、男の人の大半にそんな趣向があったとしてもわたしはもう驚かない。
 ――基本的にみんな、拘束と言葉攻めが好きよね。女の子におもちゃを押し当てて眺めるって人もいるらしいし。今朝みたいな、電車でってのも、そう言う人たちには結構普通なのかな? 主任も誰かとそんなことをしてるのかな? 電車の中で後ろから女の子のスカートに手を入れて、『ほら、もう濡れてるよ』とか……。
 普通は男から女へ向ける妄想だろう。口に出せば立派なセクハラだ。訴えられても文句は言えない。少し前までは、そんなことを考えてしまう自分がとんでもなくいやらしい女のように思えて、そのたびに落ち込んだりもしたけれど、性欲を押し殺しても意味がないと課長に教えられてからは、罪悪感に苦しめられることもなくなった。
 それがいいことなのかどうかは正直よくわからなくても、男と同じように、女の身体にも性的快楽を享受するためだけの器官が存在する以上、性行為が人間に許されている営みであることだけは確かだ。

 -つづく-
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