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2011年09月16日 (金)
「あ……か、ちょ……」
「直接、さわるよ」
涼しげな顔のまま、それでもわずかに乱れた息遣いが耳元に低くささやいた。あっと思う暇もなく、ショーツがくいと引っ張られる。ふわっと空気が流れたのとほぼ同時に、隙間から入り込んできた指先の温度を感じた。身体中でもっとも敏感な部分をぬるんと撫でられて、目の前に火花が散った。
「い……っ、ひ、ぃ……っ!」
声にもならない悲鳴は、ノリの効いた真っ白いシャツに吸い込まれた。くちゅ、くちゅ、と長い指が擦り付けられるたび、振動が全身へ広がる。彼と自分とに挟まれた胸が擦り付けられて、カップの内側でじわじわと熱を生む。いっそ自分でさわりたいと思ってしまうほどのささやかな刺激は、まるで彼に焦らされているときのようで、被虐的な記憶がさらにわたしを溢れさせた。
――こんなところで、こんなに気持ちよくなってしまう、なんて。
「すごいね。ぐちゃぐちゃになってるよ、ここ」
腕にすがってシャツに顔を埋め、なんとか悲鳴を堪えるわたしの耳に、軽く歯を食い込まながら課長は笑った。
「白井さんはこういうのも好きなんだね、知らなかったよ」
「ち、ちがっ……あ、んんっ」
「違う? 本当かな?」
長い指が痛いくらいに尖ったところをそっと突付いた。やわらかく捏ねられて息が詰まる。敏感な前のほうをさわられるたび、なにもされていないはずの奥が同じリズムでヒクヒクと蠢いた。わずかに動く空間で腰をくねらせても、さわってさえくれない。内側から湧きあがってくる苦しいほどの欲求をなんとか消そうと、ぎゅうっと閉じたまぶたの端からは涙がこぼれた。
「あうっ、ふ……ぅっ」
それは課長に教えてもらった。
前戯や一人遊びで我を忘れたことは何度もあったけれど、挿入の快感は知らなかった。彼を受け入れるのは、肉体よりも精神的に満たされるための行為で、男が快感を得るための協力としか思っていなかった。それ以上のことは誰も教えてくれなかった。だから、恥ずかしい体勢で圧し掛かられて、身体の奥深くを男に抉られるのがこれほどまでに気持ちいいと知ったときは、記憶に残っている恋人たちにかすかな恨みを抱いてしまうほどだった。
課長とのセックスは、すべてが今までとは違った。わたしが感じることを悦び、もっとわたしを感じさせようと努力してくれた。その方法の内のいくつかにはひどく恥ずかしいことが含まれていて、誰も知らなかった、わたし自身さえ知らなかった、わたしを思い知らせもしたけれど。
「あっ、はぁ……っ」
こっちにも欲しい。こっちにもひどいことをして欲しい。もっと奥まで入って、わたしを踏みにじって欲しい。電車の中だと言うのに、そんなことさえ考えてしまう。
「うっ、はぁっ……んっ、んんっ!」
そのとき、わたしの淫らな思いを読んだかのごとく、ヨダレを垂らし続ける犬のようになっていたその部分に、なにかがぬるっと当たった。
-つづく-
「直接、さわるよ」
涼しげな顔のまま、それでもわずかに乱れた息遣いが耳元に低くささやいた。あっと思う暇もなく、ショーツがくいと引っ張られる。ふわっと空気が流れたのとほぼ同時に、隙間から入り込んできた指先の温度を感じた。身体中でもっとも敏感な部分をぬるんと撫でられて、目の前に火花が散った。
「い……っ、ひ、ぃ……っ!」
声にもならない悲鳴は、ノリの効いた真っ白いシャツに吸い込まれた。くちゅ、くちゅ、と長い指が擦り付けられるたび、振動が全身へ広がる。彼と自分とに挟まれた胸が擦り付けられて、カップの内側でじわじわと熱を生む。いっそ自分でさわりたいと思ってしまうほどのささやかな刺激は、まるで彼に焦らされているときのようで、被虐的な記憶がさらにわたしを溢れさせた。
――こんなところで、こんなに気持ちよくなってしまう、なんて。
「すごいね。ぐちゃぐちゃになってるよ、ここ」
腕にすがってシャツに顔を埋め、なんとか悲鳴を堪えるわたしの耳に、軽く歯を食い込まながら課長は笑った。
「白井さんはこういうのも好きなんだね、知らなかったよ」
「ち、ちがっ……あ、んんっ」
「違う? 本当かな?」
長い指が痛いくらいに尖ったところをそっと突付いた。やわらかく捏ねられて息が詰まる。敏感な前のほうをさわられるたび、なにもされていないはずの奥が同じリズムでヒクヒクと蠢いた。わずかに動く空間で腰をくねらせても、さわってさえくれない。内側から湧きあがってくる苦しいほどの欲求をなんとか消そうと、ぎゅうっと閉じたまぶたの端からは涙がこぼれた。
「あうっ、ふ……ぅっ」
それは課長に教えてもらった。
前戯や一人遊びで我を忘れたことは何度もあったけれど、挿入の快感は知らなかった。彼を受け入れるのは、肉体よりも精神的に満たされるための行為で、男が快感を得るための協力としか思っていなかった。それ以上のことは誰も教えてくれなかった。だから、恥ずかしい体勢で圧し掛かられて、身体の奥深くを男に抉られるのがこれほどまでに気持ちいいと知ったときは、記憶に残っている恋人たちにかすかな恨みを抱いてしまうほどだった。
課長とのセックスは、すべてが今までとは違った。わたしが感じることを悦び、もっとわたしを感じさせようと努力してくれた。その方法の内のいくつかにはひどく恥ずかしいことが含まれていて、誰も知らなかった、わたし自身さえ知らなかった、わたしを思い知らせもしたけれど。
「あっ、はぁ……っ」
こっちにも欲しい。こっちにもひどいことをして欲しい。もっと奥まで入って、わたしを踏みにじって欲しい。電車の中だと言うのに、そんなことさえ考えてしまう。
「うっ、はぁっ……んっ、んんっ!」
そのとき、わたしの淫らな思いを読んだかのごとく、ヨダレを垂らし続ける犬のようになっていたその部分に、なにかがぬるっと当たった。
-つづく-
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