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2009年08月30日 (日)
「どうしてと、今さら言われても」
低く笑い、そして高瀬はいったん言葉を切った。大きく息をつき、目元に落ちてきた前髪を指先で軽く撫で付けながら目を細める。
「今西くんはさっきからおかしなことばかり言うね」
「えっ」
驚いて顔を上げた理香の目の前五センチと離れていない場所に高瀬がいた。あとずさろうと腰を浮かせるよりも早く、高瀬の腕が伸びてくる。
「もう忘れた?」
低く笑いながら高瀬は強く腰を抱き寄せた。薄い二枚の布越しに押し当てられた硬い腹筋の感触に硬直した理香に楽しげに口元を緩ませながら、高瀬はシャツのボタンを一つずつ外していった。
「きみが言ったんじゃないか。少し疲れた、休みたい、部屋を用意して欲しい、と」
「あたし、そんなこと言ってな――、やっ、ちょっ主任! 離れてっ」
話が見えず慌てる理香に構わず長い指があごに絡みついた。抵抗する暇もなく、呆気ないほど簡単に唇を奪われる。
「ん、んーーっ!」
確かに、高瀬にはセクシャルな噂があった。けれどそれらは全て噂の域を出ないものだった。
どこで誰かと何かをしているところを見られた、誰を口説いた、口説かれた、と具体的な話は聞いたことがない。モテる同僚に腐心した誰かが流した、根も葉もない嘘でしかないと言うのが給湯室での意見の大勢だったし、理香もそう考えていた。ゴシップもどきの噂を否定しない高瀬を不思議に思いながらも、それさえおとなの男の余裕と魅力なのだと周囲は語っていた。
――なのに。
「そうだな、部屋を用意してとまでは言わなかった、かな?」
「やだっ、離してっ」
身体をくねらせるように暴れる理香に覆い被さり、高瀬はゆっくりとベッドに倒れ込んだ。
-つづく-
低く笑い、そして高瀬はいったん言葉を切った。大きく息をつき、目元に落ちてきた前髪を指先で軽く撫で付けながら目を細める。
「今西くんはさっきからおかしなことばかり言うね」
「えっ」
驚いて顔を上げた理香の目の前五センチと離れていない場所に高瀬がいた。あとずさろうと腰を浮かせるよりも早く、高瀬の腕が伸びてくる。
「もう忘れた?」
低く笑いながら高瀬は強く腰を抱き寄せた。薄い二枚の布越しに押し当てられた硬い腹筋の感触に硬直した理香に楽しげに口元を緩ませながら、高瀬はシャツのボタンを一つずつ外していった。
「きみが言ったんじゃないか。少し疲れた、休みたい、部屋を用意して欲しい、と」
「あたし、そんなこと言ってな――、やっ、ちょっ主任! 離れてっ」
話が見えず慌てる理香に構わず長い指があごに絡みついた。抵抗する暇もなく、呆気ないほど簡単に唇を奪われる。
「ん、んーーっ!」
確かに、高瀬にはセクシャルな噂があった。けれどそれらは全て噂の域を出ないものだった。
どこで誰かと何かをしているところを見られた、誰を口説いた、口説かれた、と具体的な話は聞いたことがない。モテる同僚に腐心した誰かが流した、根も葉もない嘘でしかないと言うのが給湯室での意見の大勢だったし、理香もそう考えていた。ゴシップもどきの噂を否定しない高瀬を不思議に思いながらも、それさえおとなの男の余裕と魅力なのだと周囲は語っていた。
――なのに。
「そうだな、部屋を用意してとまでは言わなかった、かな?」
「やだっ、離してっ」
身体をくねらせるように暴れる理香に覆い被さり、高瀬はゆっくりとベッドに倒れ込んだ。
-つづく-
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