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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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この指を伸ばす先-90
2009年03月21日 (土)
「思っていたよりも反応が早いですね」
 先ほどの亮治の反応から、何が起ったのかとおそるおそる部屋のドアを押し開けた理香の目の前には、不機嫌そうな亮治と真面目な表情を崩さず直立不動で立つ達也の姿があった。
「――そのようだな」
 脱いだ上着を乱暴にイスへ投げると、差し出された書類を手に亮治は頷いた。デスクに腰を軽くもたれさせ、脇に置いたノートパソコンと書類に交互に視線を走らせながら手早くキーボードを叩く。読み終えた書類を背後へ投げる亮治にコードを引きずったノートパソコンの画面を向けると達也は軽く肩をすくめた。
「こっちはもっと凄いですよ。元から存在しなかったかのようにファイルごと消去されてますからね」
「そうか、たいしたものだな」
 眉をひそめうんざりした表情で頷きながら、亮治は首を回すようにして隣室へ続くドアへと視線を向けた。切迫した雰囲気に足を踏み込むことさえできず、子どものように半開きのドアから顔を覗かせる理香を目に留め、かすかな笑みを口元に浮かべた。
「理香、お茶」
 やわらかな表情を一瞬で消すと名詞のみの簡素な命令をして、亮治は再び書類へと視線を移した。
 なぁに、その態度!
 息をついた瞬間を見計らったかのようにそばに寄ってきては、服の隙間に指先を忍ばせ卑猥な行為を強要するような普段とは比べものにもならないほどのそっけなさに、理香は大きな目をくるりとしばたたかせた。文句の一つも言ってやろうと思ったものの、緊迫した雰囲気になにも言えず、理香は黙ったままドアの隙間から身体を滑り込ませた。執務室の一角に置かれた飾り棚へゆったりとした足取りで近づき、小さなガラス戸を開ける。
「あ、私にもお願いします」
 亮治に命じられたままに、芸術品のような赤絵が為された急須と湯飲みを取り出そうとした理香の後ろ姿に達也が声を掛けた。肩越しに振り向き唇を尖らせたまま頷いた理香に申し訳なさそうに頷き返すと、達也もディスプレイへと視線を戻した。

 -つづく-
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