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R18 らぶえっち小説Blog
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花を召しませ 番外編~White HESH -27
2008年09月27日 (土)
「そう言えばあの服、俺初めて見たんだけど。買ったばっか?」
 わたしの思っていたことと全く違うことを言い出しながら、彼の手は肩から背中へ、そして腰へと落ちて行った。抱き寄せるようにウェストに回った手のひらが握るようにぎゅっと腰骨をつかむ。
「やっ、ちょっとっ」
 くすぐられるのとは少し違うこそばゆさに身をよじると、逃がさないと言わんばかりの力で抱き寄せられる。その強さに思わず彼を見上げてしまう。
「ね。買ったばっかりの服なの?」
「う、うん。そう」
 わかっているはずなのに、視線に乗せたわたしの疑問を完全に無視して彼は同じ問いかけを繰り返した。彼に気付いてもらうことを諦めて仕方なく素直に答えてもその様子は変わらない。微笑を湛えたまま半分が薄闇に沈んだ彼の目は、わたしを見ているような見ていないような、そんな奇妙な雰囲気があった。
「昨日の晩に買ったよ。それがどうかした?」
 会った時に可愛いと褒めてくれたから安心をしていたけれど、実は気にいらないデザインだったのだろうか。それともわたしには似合わなかったのだろうか。電子レンジでパンを加熱しすぎたような奇妙な不安が胸の奥に広がる。
「昨日? どこで?」
「どこって……浅谷だけど」
 そこは会社へ向かうために毎日乗る電車の乗換駅だった。
 駅前には、昔ながらの商店と最近流行りのものを扱うお店とおじさんたちに人気がありそうな居酒屋が仲良く並んでいて、高速道路の高架に向かって少し歩けばお洒落なカフェバーといくつものファッションビル、それに銀行や会社やマンションがそびえ立っている。その奥の小道には恋人同士の密会場所としてのホテルのある、清濁今昔が融けたような街だった。定期券を持っていることもあって、友だち同士との気楽な集まりによく名前の出る場所だ。勿論、彼とのデートでも行ったこともある。
「そっか。浅谷で、昨日、ね」
 ふんふん、と頷きながらも彼は違うことを考えている。わたしの表情が変わらないかと観察している。それくらいはわたしでもわかる。
「シズくん?」
 少しだけ身体を引いて、その代わりのようにひじをついて上半身を起こした。リラックスしたように長々と寝そべる彼の顔を真正面から見つめる。
「言いたいことがあるなら、はっきり言って」

 -つづく-
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