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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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マスカレイド2-1
2007年12月06日 (木)
「あれ? もしかして、雨?」
 急に部屋全体が暗くなってきたのを感じて書きかけの数学ドリルから顔を上げた。慌てて窓際に駆け寄ると、レースカーテン越しの空に斜めの薄い線が入っていた。ぽつぽつと窓ガラスについた雨粒に思わず溜息をつく。
「せっかく洗濯してきたのにー」
 頑張った朝の一時間が全部台無しになったようで、一気にやる気がなくなる。唇を尖らせながら長テーブルに戻って、ドリルの上にぽいと握っていたシャーペンを放り出す。ぱちりという小さな音と一緒に、二ミリほど出ていた芯がどこかへ飛んでいった。それを横目に乱暴にパイプ椅子に座って背もたれに抱き付く。わずかなひんやり感が二の腕に気持ちいい。固い感触にぎゅっと腕を回して額を押し付けた。
「つっまんない、のー」
 朝からずーっと一人で、苦手な数学のドリルに掛かりっきり。夏休み中の高校二年生としては褒められてもいいくらいの姿だと思うけど。
「でも、つまんないんだもん」
 ぷーっと頬を膨らませるのは予行演習。拗ねる用意。時計の針はもうとっくに真ん中になっていて、だからもうすぐ。
 そう思った瞬間に、ガチャガチャとカギを外す音が聞こえた。ぱたぱたと間抜けな音を立てるスリッパと、人の気配。
「あー、腹減ったーっ」
 それでも思わず振り仰ぎそうになるのを我慢していると、がさりとコンビニのポリ袋がテーブルに置かれた。今日は何を買ってきてくれたのかな。そう思うと正直な胃袋が反応する。ぐうっと鳴ってしまう。
「ほら、芝口。腹減ったんだろ」
 やっぱり聞こえちゃったのかな。声がちょっと笑ってる。
「い、ひゃぁーん」
 薄目を開けてそっと背後を振り返ろうとしたとき、ブラウス越しにすうーっと背中を撫でられた。思わず変な声が出てしまう。
「なにすんのよっ! って、きゃあっ!」
 勢いよく振り返ったはいいけれど、パイプ椅子の上でバランスを崩してしまう。伸びてきた太い腕に慌ててかじりついて、息を止めて三秒。なんとか倒れるのだけは防ぐと、ほーっと低い溜息が上から聞こえてきた。
「まったく、おまえは」
 ぽんぽんと軽く叩くように頭を撫でた大きな手が、おかしそうに笑いながらあごをつまんだ。猫を相手に遊ぶときのようにのどを指先でくすぐってくる。
「何よおっ」
 それでも横目で睨みつけると、藤元先生はくっと低く笑った。

 -つづく-
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