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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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マスカレイド-1
2007年07月28日 (土)
 正直言うと、最初はそれほど興味なかった。
 確かにキレイな顔をしてるけど、でもそれが逆に作り物みたいで、男はもっとがっちりしてる方があたしは好みだなあなんて、教室の隅できゃーきゃー騒ぐコたちをぼんやり眺めてた。
 だって、もう結婚しちゃってる人だよ、そんなのダメに決まってんじゃない。もっと身近に目を向けたほうがいいんじゃないの。そんなふうに考えてた。
 それが一転したのは、校内マラソン大会のとき。
 いつも何を見ているのかわからないクールな視線を周囲に向けていたあの人が、懸命に走る最後尾のコたちに『頑張れ頑張れ』って叫びながら、手を叩いてるのを見たとき。そして、そのコたちがゴールしたとき、自分のことみたいに嬉しそうに笑ってるのを見たとき。
 なんだ、澄ました顔以外もできるんじゃん。
 今から考えると当たり前だったとも思うけど、でもそのときのあたしには衝撃だった。残念なことにその表情はそのときだけのもので、すぐにいつもの冷たい目に戻ってしまったのだけれど、でもあたしの気持ちは戻らなかった。ただ、今までのことがあったから友だちにも打ち明けることができなくて、だから今までと同じ興味ない態度を貫いたけど。


 ――あの人。
 名前は佐上仁。年は二十八。物理担当。
 さらさらの前髪のあいだから見える、切れ長の目少し物憂げな表情、落ち着いた声。すらりとしたスーツ姿は、小汚いジャージのオッサン先生たちとは全然違う。特進クラス副担で学年一……ううん、多分、学校一の人気者。結婚しているにも関わらず、バレンタインにはデパートの紙袋いっぱいにチョコが集まるらしい。
 その人気が悪いのか、それともちょっと気軽には近寄りがたい見た目と性格のせいか、先生同士でもあまり親しい付き合いとかはないと言う。趣味はなんたら方程式を解くこと。頭の悪いコには興味がなくて、特進クラス以外のコは無視するなんて噂もあるくらいの人。
 だから、どうあったところで一般文系クラスのあたしにはチャンスも接点もなかったし、それはわかっていた。だから、ただひっそりと憧れていただけ。それくらいなら別に……。
 うん、別に。

 -つづく-
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