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2007年05月15日 (火)
「そうでもないと思うよ。いくつか作れるけど、でも簡単なものばっかだし……」
「でも、わたしより上手だよね?」
俺の言葉を遮るように微妙な疑問を投げかけながら、彼女は上目遣いで俺をちろりと見上げた。
いつも素直な彼女にしては奇妙なニュアンスの言葉に、思わず眉をひそめてしまう。そんな俺の顔を見て、彼女はわずかに唇を尖らせた。
「どうしたの、美雪さん」
「べっつにぃー」
俺の視線から逃げるようにぷいと顔をそむける。それでも、忙しくもぐもぐと口元が動いている様子がなんとなくリスを連想させて、可愛い。
「なんか、あったの?」
もしかしたら、何か仕事で気に入らないことがあって、それで機嫌が悪いのかもしれない。今までも何度かそんなことがあった。
それは、新しく入ったキーボードが打ちにくいとかマウスの調子が悪いとか、同僚の仕事を手伝ったらそのまま押し付けられて仕方なく残業をしたとか、俺には些細な出来事のような気がすることもあるけれど、それでも繊細な女性はひどくイラつくらしい。どちらかと言えばおっとりした性格の彼女も、月に一度くらいはそういう日がある。いわゆるそういう時期のあいだ、のことだけれど。
もしも今がそうだとしたら、できないな。
内心でそんなことを考えながら箸を動かす。不機嫌そうながらもパクパクと食べ続ける横顔は、どんなに視線を送っても知らん顔だ。皿の中を見つめるように目を伏せたまま、こっちを見てもくれない。
――まいったな。
-つづく-
「でも、わたしより上手だよね?」
俺の言葉を遮るように微妙な疑問を投げかけながら、彼女は上目遣いで俺をちろりと見上げた。
いつも素直な彼女にしては奇妙なニュアンスの言葉に、思わず眉をひそめてしまう。そんな俺の顔を見て、彼女はわずかに唇を尖らせた。
「どうしたの、美雪さん」
「べっつにぃー」
俺の視線から逃げるようにぷいと顔をそむける。それでも、忙しくもぐもぐと口元が動いている様子がなんとなくリスを連想させて、可愛い。
「なんか、あったの?」
もしかしたら、何か仕事で気に入らないことがあって、それで機嫌が悪いのかもしれない。今までも何度かそんなことがあった。
それは、新しく入ったキーボードが打ちにくいとかマウスの調子が悪いとか、同僚の仕事を手伝ったらそのまま押し付けられて仕方なく残業をしたとか、俺には些細な出来事のような気がすることもあるけれど、それでも繊細な女性はひどくイラつくらしい。どちらかと言えばおっとりした性格の彼女も、月に一度くらいはそういう日がある。いわゆるそういう時期のあいだ、のことだけれど。
もしも今がそうだとしたら、できないな。
内心でそんなことを考えながら箸を動かす。不機嫌そうながらもパクパクと食べ続ける横顔は、どんなに視線を送っても知らん顔だ。皿の中を見つめるように目を伏せたまま、こっちを見てもくれない。
――まいったな。
-つづく-
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