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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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この指を伸ばす先-30
2007年04月04日 (水)
「先輩っ。い、いつ、そこに……」
「時間だ。行くぞ」
 短く帰ってきた答えにならない言葉に、理香はわずかに眉をひそめる。
「行くってどこへ?」
「仕事だ。さっきもそう言った。覚えろ」
 左脇にファイルをはさんだまま、欧米人のようなオーバーアクションで両腕を広げると、亮治はわざとらしく肩をすくめた。あごを上げるように理香を見おろすと深い溜息をついて見せる。
「上司が、仕事をサボって隠れてオナニーしていた部下を、わざわざこんなところまで迎えにきてやったんだぞ。もっとありがたがったらどうだ?」
「な……っ! あたし、そんなこと頼んでませんっ!」
 自分に向けられた、卑猥な色の混じった恩着せがましい言葉に、理香は耳まで真っ赤になりながらも反射的に怒鳴り返した。二十センチ以上も上空から向けられる薄い笑みを浮かべた表情を睨みつける。
「それに、ここは女子トイレです! 先輩が入ってきていいところじゃないんです! もし誰かに見られたら……!」
「まあ、昼休み直前のこの時間帯にわざわざ便所に駆け込むヤツは普通はいないだろ。よっぽど切羽詰っていたなら、ともかく」
 おまえのようにな。
 半ば照れ隠しの、そして残りの半分は亮治を心配しての理香の言葉にも、低く茶化すような声だけが返ってくる。
「それに、そこまで切羽詰っていたのなら、俺のことを詮索する余裕もないだろう? まあ別にそれならそれで構わんが。学校を出たての若造とは言え、社長の甥で役員の俺に、どうこう言える人間はあまり居まい?」
 全てを見透かしたように細まったまなざしに、先ほどからの続きのように噛み付こうと口を開きかけて、けれど理香は黙って亮治から視線を外した。俯くように両手で髪を後頭部にまとめ、ぱちりと髪止めではさむ。珍しく反論してこない理香をちらりと見下ろして、亮治は手にしたファイルケースを理香に差し出した。
「まあ、それは今はいい。おまえの初仕事だ。付いてこい」

 -つづく-
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