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2006年01月01日 (日)
「あたし、よくわかんない!」
いつのまにかあたしは泣いていた。
「ユーキさんはヘンだと思う。おかしいと思う」
がくがくする足をなだめながら、一歩二歩とよろめきながら歩いて、ユーキさんのすぐ脇に進んだ。彼は床をじっと見つめていた。
膝をついてかがみこんでそしてその髪に触れると、彼はびくっと震えた。そのまま数秒固まって、そしてそろそろと視線を上げる。でもあたしをちょっとだけ見て、すぐに視線をそらした。いつもどこか余裕で、優しく笑いながらあたしを見てくれていたユーキさんと同一人物だなんて、思えない。嘘みたい。怒られている子どもみたい。
でも、これもユーキさん。ユーキさんの一面。きっと普段は誰にも見せないようにしている、飾っていない構えていない、本当のユーキさん。
少し固い短い髪。濃い眉毛。切れ長の目。白っぽい唇。荒い息遣い。汗とオレンジの匂い。
太い首に腕を巻きつけるように、あたしは彼を抱きしめた。
「あたし、それでも、ユーキさんのことが好き」
びっくりしたけど目を疑ったけど、嘘だと思いたかったけど、今だって嘘だったらいいのにと思ってるけど、でもイヤじゃない。あたし、今もユーキさんのことがイヤじゃない。嫌いだと思ってない。嫌いだなんて思えない。
「あたし、ユーキさんに何されてもいい。酷いことされてもいい」
「千紗、ちゃん……」
泣きそうな目であたしを見るユーキさんの唇に軽くキスをした。
「だから、あた――」
言葉の途中で、あたしは強く抱き寄せられて抱きしめられた。
「ユーキさ……んんぅッ?」
名前を呼ぶ暇もなく、あたしはソファに引きずり上げられて押し倒されて、乱暴に唇を塞がれた。無理やりねじ込むように舌を絡ませられて息ができない。あまりの苦しさに押し返そうした手は彼に簡単に捕らえられた。あたしの腕を大きな手で一つかみにすると、両腕を頭の上でねじって、そしてがしゃりと手錠を掛けた。
「ゆ、ユーキさんっ? なに、を……」
「ご主人さま、だ」
「え?」
あたしに覆い被さって、ユーキさんは笑っていた。泣きそうな目で笑っていた。
「おまえは奴隷なんだろ。だったら、俺をご主人さまと呼べ」
いきなりの彼の言葉に、あたしは、あたしは……。
-つづく-
いつのまにかあたしは泣いていた。
「ユーキさんはヘンだと思う。おかしいと思う」
がくがくする足をなだめながら、一歩二歩とよろめきながら歩いて、ユーキさんのすぐ脇に進んだ。彼は床をじっと見つめていた。
膝をついてかがみこんでそしてその髪に触れると、彼はびくっと震えた。そのまま数秒固まって、そしてそろそろと視線を上げる。でもあたしをちょっとだけ見て、すぐに視線をそらした。いつもどこか余裕で、優しく笑いながらあたしを見てくれていたユーキさんと同一人物だなんて、思えない。嘘みたい。怒られている子どもみたい。
でも、これもユーキさん。ユーキさんの一面。きっと普段は誰にも見せないようにしている、飾っていない構えていない、本当のユーキさん。
少し固い短い髪。濃い眉毛。切れ長の目。白っぽい唇。荒い息遣い。汗とオレンジの匂い。
太い首に腕を巻きつけるように、あたしは彼を抱きしめた。
「あたし、それでも、ユーキさんのことが好き」
びっくりしたけど目を疑ったけど、嘘だと思いたかったけど、今だって嘘だったらいいのにと思ってるけど、でもイヤじゃない。あたし、今もユーキさんのことがイヤじゃない。嫌いだと思ってない。嫌いだなんて思えない。
「あたし、ユーキさんに何されてもいい。酷いことされてもいい」
「千紗、ちゃん……」
泣きそうな目であたしを見るユーキさんの唇に軽くキスをした。
「だから、あた――」
言葉の途中で、あたしは強く抱き寄せられて抱きしめられた。
「ユーキさ……んんぅッ?」
名前を呼ぶ暇もなく、あたしはソファに引きずり上げられて押し倒されて、乱暴に唇を塞がれた。無理やりねじ込むように舌を絡ませられて息ができない。あまりの苦しさに押し返そうした手は彼に簡単に捕らえられた。あたしの腕を大きな手で一つかみにすると、両腕を頭の上でねじって、そしてがしゃりと手錠を掛けた。
「ゆ、ユーキさんっ? なに、を……」
「ご主人さま、だ」
「え?」
あたしに覆い被さって、ユーキさんは笑っていた。泣きそうな目で笑っていた。
「おまえは奴隷なんだろ。だったら、俺をご主人さまと呼べ」
いきなりの彼の言葉に、あたしは、あたしは……。
-つづく-
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