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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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花を召しませ-71
2006年11月24日 (金)
「な、なに?」
 ゆっくりと伸びてくる左手に、逃げることも拒絶することもできない。後ずさりすることさえできないまま抱き寄せられて、彼の胸の中に包み込まれる。
「ねえ、美雪さん?」
 わたしを片手で抱きしめたまま、彼はベッドへと様変わりしたソファへゆっくりと腰を降ろした。広く開いたひざのあいだに座らされる。二人分の体重を受けたスプリングがかすかな音を立てて軋んだ。
「だから、なによ」
 抱き寄せていた手がのどへと移る。触れるか触れないかのギリギリを保った手が、まるで重力に逆らっているかのように、ゆっくりとあごへと昇って行く。
「さっき、有理さんが言ってたこと、ホント?」
「なに、が?」
 わずかに力の入った指先で簡単に上を向かされてしまう。口元に淡い笑みが浮いたと同時に、深い闇色の瞳が細まった。
「だから、こんな俺でもいいって、それ、ホント?」
 それは、初めて見るまなざしだった。まるで捕食される直前の昆虫になったような、奇妙な寒気が背筋に走る。それは不愉快ではなかったけれど、その余りの得体の知れない感覚に恐怖する。どう反応していいのかわからない。
「あ……」
「ね、答えて。美雪さんの声で、本当のことを教えて」
 耳に触れる唇と濡れた舌。後ろから回ってきた手がカットソーの裾から入り込んだ。おへその周囲をゆっくりと円を描くようになぞられてビクンと震えてしまう。
「俺のこと、キライ? それともキライじゃない? なんでこんな時間にきてくれたの? 有理さんが言ってたことって全部そうなの? 美雪さん、そう思ってくれてるの? それとも――」
「や……あ……っ……す、すき、シズくん好き……あっ」
 耳をやわらかく噛まれて舌を擦り付けられて、背筋がゾクゾクした。逃げかけた身体を押さえた手が包帯に包まれているという事実に抵抗できなくなる。それ以上動くことすらできなくなる。
「だったら、だったらなんで……電話に出てくれなかったの?」
 耳の窪みへと入り込んできた舌が、ざわりと大きな音を立てた。捕らえた餌を弄ぶような、聴覚までも彼に犯されるような感覚に、甘い眩暈がした。

  -つづく-
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