--年--月--日 (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
2006年11月03日 (金)
――ぴぴぴ、ぴぴぴ、ぴぴぴ、ぴぴぴ、ぴぴぴ、……――。
しつこく鳴り響く耳障りな電子音で目が覚めた。
「んー……」
目を瞑ったまま手を伸ばして、枕元を探った。ずれたシーツの上、マットレスから半ば落っこちそうになっていた携帯電話のストラップを、指先に引っ掛けてそのまま引き寄せる。サブディプレイに示されていた電話を掛けてきている相手の名前を確認してからケータイを開いて、通話ボタンを押した。
「んー、もしもし……?」
「みゆきっ!」
脳に直接突き刺さるかのような大音量に思わずのけぞった。耳から遠く離して、まるでそこに相手がいるかのようにケータイを見つめる。聞き慣れた大声が早口でまくしたてるのをぼんやりと眺めた。
「何回電話したと思ってんの、今どこにいんのっ! ――ちょっと、聞いてるっ?」
理由もわからないまま責められる。そう言えば何度か電話が掛かってきていたような気もするかも、なんて心の中で呟きながらわたしは軽い溜息をついた。
「どこって、うちに決まってるでしょ。寝てたんだから」
「えっ、ウチ? あ……あ、そう」
トーンダウンした声にそっと耳にケータイを押し当てた。
「あーっと、もしかして寝てた?」
「もう二時でしょ。寝てたっておかしくないのよ、普通」
まだ半分ほど眠ったままの頭で大きなあくびを吐きながら、手元のスタンドライトをつけた。ビデオデッキの表面に浮いたデジタル数字を読み取る。
「で、何の用なの、こんな時間に」
普通ならばベッドに入っていてもおかしくない時間なのだけど、有理ならば話は別なのかもしれない。週に二回か三回は、朝まで遊んでいた店から大学へ直行していた彼女のことだ。当然のように講義を寝倒していたけれど、それでも定期テストではきちんとした点数を取っていた。彼女のそういうところはすごいと思う。
「そうよ、それそれっ!」
すうっと一つ大きく息を吸い込んで、そして。
「美雪、あんた、シズとどうなってんの!」
-つづく-
しつこく鳴り響く耳障りな電子音で目が覚めた。
「んー……」
目を瞑ったまま手を伸ばして、枕元を探った。ずれたシーツの上、マットレスから半ば落っこちそうになっていた携帯電話のストラップを、指先に引っ掛けてそのまま引き寄せる。サブディプレイに示されていた電話を掛けてきている相手の名前を確認してからケータイを開いて、通話ボタンを押した。
「んー、もしもし……?」
「みゆきっ!」
脳に直接突き刺さるかのような大音量に思わずのけぞった。耳から遠く離して、まるでそこに相手がいるかのようにケータイを見つめる。聞き慣れた大声が早口でまくしたてるのをぼんやりと眺めた。
「何回電話したと思ってんの、今どこにいんのっ! ――ちょっと、聞いてるっ?」
理由もわからないまま責められる。そう言えば何度か電話が掛かってきていたような気もするかも、なんて心の中で呟きながらわたしは軽い溜息をついた。
「どこって、うちに決まってるでしょ。寝てたんだから」
「えっ、ウチ? あ……あ、そう」
トーンダウンした声にそっと耳にケータイを押し当てた。
「あーっと、もしかして寝てた?」
「もう二時でしょ。寝てたっておかしくないのよ、普通」
まだ半分ほど眠ったままの頭で大きなあくびを吐きながら、手元のスタンドライトをつけた。ビデオデッキの表面に浮いたデジタル数字を読み取る。
「で、何の用なの、こんな時間に」
普通ならばベッドに入っていてもおかしくない時間なのだけど、有理ならば話は別なのかもしれない。週に二回か三回は、朝まで遊んでいた店から大学へ直行していた彼女のことだ。当然のように講義を寝倒していたけれど、それでも定期テストではきちんとした点数を取っていた。彼女のそういうところはすごいと思う。
「そうよ、それそれっ!」
すうっと一つ大きく息を吸い込んで、そして。
「美雪、あんた、シズとどうなってんの!」
-つづく-
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++