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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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あたしの彼はご主人さま-12
2005年12月17日 (土)
「千紗ちゃんに彼氏がいるのは知ってる。今日、俺と寝たのだって物の弾みってヤツで、俺のことが好きだからじゃないのもわかってる」
 彼は寂しそうに笑っていた。いつのまにかシリアスになってた車内に、まだ半分以上脳の眠っているあたしは、返事をすることもできなかった。
 なになに。なにがどうしたの。さっきまであんなに二人っきりですごいことしてたのに、なんで急にこんな話題になってるの? なんでユーキさんはそんな目をしてるの?
「でも、千紗ちゃんにとっては物の弾みでも、俺はすごく嬉しかった。千紗ちゃんがイく顔見てるだけでイきそうだった」
 そう言うと、彼はおそるおそると言った感じで、あたしの手に触れた。大きな手のひらで包み込むようにして、ぎゅっと一瞬だけ力を入れて、そしてゆっくりと離した。
 ユーキさん、どうしたんだろう。さっきまで平気であたしの身体に触ってたのに。えっちなとこ触ったり舐めたり指入れたり、恥ずかしくてすごいこと、いっぱいしてたのに。なのに。
「また逢ってくれるかな。俺だけにしてなんて言わないから。友だち扱いでいいから」
 急に、どうしたんだろう。
「あ、あの。ユーキさん……」
「うん?」
 でも結局続ける言葉も見つけられなくて、あたしは俯いて、なんでもないと呟いた。彼はちょっと寂しそうな笑みを浮かべたまま、それ以上は追求してこなかった。
 物分りのいいおとなはそうなんだろう。まだまだ子どもな彼氏とは違って、ユーキさんはムリに聞き出すようなことは絶対にしない。スマートで優しくてカッコよくてえっちが上手で、でもちょっと可愛いところもある。素敵だと思う。いいなって思っている。彼氏よりずっといいかもとも思ってる。
「今日は、本当にありがとう。すごく、楽しかった」
「あ、う、うん。あたしも……」
 楽しかったです、ありがとうございますと言いかけて、言葉を飲み込んだ。
 ユーキさんのセックスが気持ちよくて楽しかっただなんて、いっぱいイかせてくれてありがとうだなんて、絶対に言えない。あんな嬌態を晒しておいて、なにを今さらと思われるかもしれないけど、でも、いやだった。
 誰の誘いでも乗っちゃうような子だと思われたくなかった。
 誰とでもホテルに行くような子だと思われたくなかった。
 誰でもよかったからユーキさんでもよかっただなんて、思われたくなかったのに。
「また、連絡する」
 あたしの前髪を指先で片側に軽く寄せると、空いた隙間にそっと唇を押し当てて、彼と彼の車はキラキラした夜景の中へ帰って行った。

  -つづく-
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