--年--月--日 (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
2006年03月14日 (火)
「だから、話すって言ってるでしょ!」
「そんな大声出さなくても聞こえるよ」
余裕たっぷりな態度とあたしをからかうように肩をすくめる仕草、それにしゃべりかたまでそっくり。わざと似せてるの? それとも、元から似てるの?
「じゃあまず名前から。名前は?」
「高見千紗」
「千紗ちゃん、か。年はいくつ?」
「……十七」
「へえー、若いねー」
彼は長くなった灰を落としながらくすくす笑った。
ユーキさんは一重で切れ長の目をしてて、この人は二重。でもまつげが長いのはおんなじ。だから目を細めるように笑うと、ホントに、もうっ!
「和真のヤツとどういう関係? 普通のオトモダチってことはないよなあ」
「あなたってユーキさんのお兄さんなんでしょ? どうしてあたしにこんなことするの? 何がしたいの?」
嗅ぎ慣れないタバコのにおいから逃げるようにしながら訊くと、彼はあたしに煙を吐きかけた。げほげほとあたしが咳き込むのを面白そうに笑う。
「おいおい、訊いてるのは俺だよ。千紗ちゃん」
言いながら手を伸ばしてくる。
「ユーキさんじゃないくせに、千紗って呼ばないでよっ」
頬に触れた指先から思いっきり身を引くと、彼は一瞬あたしをまじまじと見て、そして弾けるように明るく笑った。
「なんだよ、失礼だなあ。俺だって結城なんだけど」
くくっとのどの奥で笑う声がもう、ホントに似てて。ドキドキしちゃうくらいで。こんなヤツにドキドキしちゃう自分に腹が立ってくるっ!
「あんなやつのこと好きなの? 付き合ってんの? もうセックスした?」
「そんな……そんなことっ!」
失礼な言い草も楽しそうな声もあたしをバカにしてるような目付きも、耐えられないくらいムカつく。なのに、その目で見られるとどうしていいかわからなくなってしまう。
こんなイヤなヤツがなんでっ?
遺伝子のバカ! ユーキさんのお父さんのバカっ!!
-つづく-
「そんな大声出さなくても聞こえるよ」
余裕たっぷりな態度とあたしをからかうように肩をすくめる仕草、それにしゃべりかたまでそっくり。わざと似せてるの? それとも、元から似てるの?
「じゃあまず名前から。名前は?」
「高見千紗」
「千紗ちゃん、か。年はいくつ?」
「……十七」
「へえー、若いねー」
彼は長くなった灰を落としながらくすくす笑った。
ユーキさんは一重で切れ長の目をしてて、この人は二重。でもまつげが長いのはおんなじ。だから目を細めるように笑うと、ホントに、もうっ!
「和真のヤツとどういう関係? 普通のオトモダチってことはないよなあ」
「あなたってユーキさんのお兄さんなんでしょ? どうしてあたしにこんなことするの? 何がしたいの?」
嗅ぎ慣れないタバコのにおいから逃げるようにしながら訊くと、彼はあたしに煙を吐きかけた。げほげほとあたしが咳き込むのを面白そうに笑う。
「おいおい、訊いてるのは俺だよ。千紗ちゃん」
言いながら手を伸ばしてくる。
「ユーキさんじゃないくせに、千紗って呼ばないでよっ」
頬に触れた指先から思いっきり身を引くと、彼は一瞬あたしをまじまじと見て、そして弾けるように明るく笑った。
「なんだよ、失礼だなあ。俺だって結城なんだけど」
くくっとのどの奥で笑う声がもう、ホントに似てて。ドキドキしちゃうくらいで。こんなヤツにドキドキしちゃう自分に腹が立ってくるっ!
「あんなやつのこと好きなの? 付き合ってんの? もうセックスした?」
「そんな……そんなことっ!」
失礼な言い草も楽しそうな声もあたしをバカにしてるような目付きも、耐えられないくらいムカつく。なのに、その目で見られるとどうしていいかわからなくなってしまう。
こんなイヤなヤツがなんでっ?
遺伝子のバカ! ユーキさんのお父さんのバカっ!!
-つづく-
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++