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2012年02月03日 (金)
物理的限界が存在する男性と違って、女は何度でも達することができる。個人差は勿論あるだろうけれど、わたしはクタクタになって動けなくなりそのまま眠ってしまうほどに攻められる味を覚えてしまった。
――せめて、課長が最後までしてくれれば、ここまでならなかったのに。
わたしだけを弄び課長自身は最後までしないときはいつもこうだった。胎内に注ぎ込まれることで快感が増えるわけではないけれど、その瞬間の課長の震える息遣いを聞くことで精神的に満足する。昼間の密会が尻切れトンボに終わることは今までもあったことだけれど、その場合は夜に改めて時間を持ってくれていた。それはわたしのためと言うよりは課長自身の欲求を重要視した結果だったけれど。
――今夜は一人でしちゃお。
お茶のせいか火照る身体のせいか熱を持った溜息をついて、半分ほど残ったマグカップをお茶セットの置かれたワゴンの脇へと置いた。三番茶でも淹れ足して仕事へ戻ろうと考えながらポットの中身を確認する。残っていた分量は充分だったけれど湯はぬるくなりすぎている。少しあたためようコンセントを差し込んで、主任もいかがですかと続けようとして上げた顔はそこで止まった。思わず息を飲んでしまうようなまなざしが、真正面からわたしを捉えていた。
「――主任……?」
それは、今までに見たことのない表情だった。いや、一度だけ見たような気がする。
あの日、前課長の送迎会の日の帰りに、毎日顔を合わせて見慣れていたはずの上司と何の前触れもなく突然に深い関係になってしまった。それがなぜなのか、どうしてそうなったのか、なにがきっかけだったのか、後から何回思い返してもわからなかった。思い出せなかった。仕方なく、わたしは酔っていたからだと結論をつけた。お互いに酔っていたからついうっかりその気になって、そう言うことになってしまったのだと。酔っていたからとてもよくて、今も続いてしまっているのだと。
思い起こせば、あの日のあのときも、わたしはこんなことを考えていた。家が同じ方向だから送っていくとタクシーに乗り込んだ課長の横顔を見ながらその指を見ながら、課長の愛撫を想像した。抱かれて感じる自分を想像した。見知らぬホテルの前でタクシーが止まり、手を引かれてエレベーターに乗り込むときも部屋に入ったときも、ショーツを脱がされふとももを押さえつけられ下腹部に吐息を感じたときも、わたしはそれが現実なのか妄想なのかの判断はできなかった。舌に優しく叩かれ侵入してきた指に突き上げられ、自分のあえぎ声に耳を打たれて始めて、ようやく今が現実だと気がついた。課長に圧し掛かられ動物のように犯され、信じられないほどの快感に悲鳴を上げた。男性を受け入れて感じたことが今までに一度もなかったわたしにとって、それは天地がひっくり返ったかと思うほどのショックだった。
-つづく-
――せめて、課長が最後までしてくれれば、ここまでならなかったのに。
わたしだけを弄び課長自身は最後までしないときはいつもこうだった。胎内に注ぎ込まれることで快感が増えるわけではないけれど、その瞬間の課長の震える息遣いを聞くことで精神的に満足する。昼間の密会が尻切れトンボに終わることは今までもあったことだけれど、その場合は夜に改めて時間を持ってくれていた。それはわたしのためと言うよりは課長自身の欲求を重要視した結果だったけれど。
――今夜は一人でしちゃお。
お茶のせいか火照る身体のせいか熱を持った溜息をついて、半分ほど残ったマグカップをお茶セットの置かれたワゴンの脇へと置いた。三番茶でも淹れ足して仕事へ戻ろうと考えながらポットの中身を確認する。残っていた分量は充分だったけれど湯はぬるくなりすぎている。少しあたためようコンセントを差し込んで、主任もいかがですかと続けようとして上げた顔はそこで止まった。思わず息を飲んでしまうようなまなざしが、真正面からわたしを捉えていた。
「――主任……?」
それは、今までに見たことのない表情だった。いや、一度だけ見たような気がする。
あの日、前課長の送迎会の日の帰りに、毎日顔を合わせて見慣れていたはずの上司と何の前触れもなく突然に深い関係になってしまった。それがなぜなのか、どうしてそうなったのか、なにがきっかけだったのか、後から何回思い返してもわからなかった。思い出せなかった。仕方なく、わたしは酔っていたからだと結論をつけた。お互いに酔っていたからついうっかりその気になって、そう言うことになってしまったのだと。酔っていたからとてもよくて、今も続いてしまっているのだと。
思い起こせば、あの日のあのときも、わたしはこんなことを考えていた。家が同じ方向だから送っていくとタクシーに乗り込んだ課長の横顔を見ながらその指を見ながら、課長の愛撫を想像した。抱かれて感じる自分を想像した。見知らぬホテルの前でタクシーが止まり、手を引かれてエレベーターに乗り込むときも部屋に入ったときも、ショーツを脱がされふとももを押さえつけられ下腹部に吐息を感じたときも、わたしはそれが現実なのか妄想なのかの判断はできなかった。舌に優しく叩かれ侵入してきた指に突き上げられ、自分のあえぎ声に耳を打たれて始めて、ようやく今が現実だと気がついた。課長に圧し掛かられ動物のように犯され、信じられないほどの快感に悲鳴を上げた。男性を受け入れて感じたことが今までに一度もなかったわたしにとって、それは天地がひっくり返ったかと思うほどのショックだった。
-つづく-
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