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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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あなたは知らない-10
2011年10月20日 (木)
「じゃあ、今日は縛ろうか。後ろに手を」
「あ、はい」
 離れた唇から流れる静かな声の命令と、ネクタイを緩めるセクシーな男の仕草をうっとりと見上げながら頷いた。
 課長が縛りたがる日は限られていた。いつも縛っていると慣れてしまうからねと笑顔を向けられると、それ以上はなにも言えなくなる。愛されなくなるくらいなら、多少の不満は飲み込んだほうがわたし自身のためだった。だからこそ、今日はたっぷりいろんなことをしてもらえるのだろうと、身体が期待してしまう。奥のほうがヒクヒクしているのがわかる。優しい声でひどい言葉をささやかれながら恥ずかしいことをされると考えただけであふれてくる。
「あ……、んっ」
 背中に回した両手首に絡まる、冷たいシルクの感触に肌が粟立つ。
 課長は結び目を作らず、編み込むように器用にいくつかの折り目を作って縛る。ネクタイを結び直したとき、不自然な箇所にシワがあると後で困るからといつだったか言っていた。こんな時でさえ冷静な様子を見ていると少し寂しいような気もする。
 課長にはどれほどの経験があるのだろう。確認しようと考えたことさえないけれど、過去にわたしと同じような関係になった課員がいたかもしれない。もしかしたら、今だって――。
 頭を振って、勝手に暴走する思考を振り払うと、必死で背後の課長の気配を追った。縛った手首からすうっとひじまでを指で辿られて、ぞくりと身体が震える。反射的に腕を動かそうとした途端、ネクタイが手首に食い込む軽い痛みがわたしを襲った。縛られていると言う事実がわたしをさらに縛る。
「これだけでも好い顔するね。気持ちいい?」
「はい、気持ちいい、です……」
 初めて挿入で絶頂を得たときに縛られていたのがいけなかったのか、わたしの回路の中では『縛られる』と『気持ちいい』が繋がってしまったらしい。いやらしい言葉や乱暴に組み敷かれる体位にひどく反応してしまうのも同じ理由からだと思う。課長が言うには、女性にはそれほど珍しいことでもないらしいけれど、だからといって、はいそうですかと簡単に頷けるものでもない。
「やっ、課長……あ、んっ」
 後ろから回ってきた腕がぷつぷつとブラウスのボタンを外す。崩れるように開いた隙間から入った指がブラをずらして、その頂でささやかな自己主張をする赤い突起をぷるんと弾いた。
「んっ、んんっ」
 痛みとそれ以外の感覚が胸全体に流れる。押し潰すように捏ねられると熱くなる。痺れるようなざわざわした波がわたし自身を呼び起こす。今朝の電車のときのような、恥ずかしいほどいやらしいわたし自身をムリヤリに起こそうとする。

 -つづく-
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