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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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あなたは知らない-8
2011年09月30日 (金)
 社内不倫が公になれば、課長はよくて降格、あるいは左遷、もしくは解雇……?
「うわぁ……」
 今になって思い返せば、目がくらむほどに感じされたあのゴツゴツした指の感触は、課長の指とは全然違った。課長の指は、ピアニストのようにすぅっと細くて長い。決して細すぎるわけではなくてちゃんと気持ちよくはしてくれるけれど、あの太い指でぐりっと捏ねられたときの、それだけで自分が弾けてしまいそうになった強さとは段違いだった。そんな状況じゃないとわかっていても、ゴツゴツした関節での抉るような突き上げを思い出すと身体の芯が熱くなる。
「――かちゃん。美加ちゃんってば」
「あ、はいっ」
 慌てて顔を上げると、ディスプレイの上から薄平べったい箱が差し出されていた。急かすようにトントンと揺れる箱を慌てて受け取る。中央がくびれた独特の楕円形に丸まったチョコレートが、いくつかの空欄を作りながらも整然と列を成していた。
「これは?」
「美奈ちゃんのグアムのお土産。一人三つずつね」
 唯一の同期である成美ちゃんが、さっさと箱を返してとばかりに差し出したままの手を伸ばしてくる。頷き返しながら、銀行のロゴが入ったメモ用紙を一枚ぴりりと破り取って、一番手近のチョコを急いで三つ摘んだ。
「彼氏と旅行だって。いいよね~」
 わたしの斜め前の席に座った結婚三年目の先輩OLさんが、溜息混じりに肩をすくめながら、すぅっと視線を動かした。釣られて同じ方向に視線を向けると、有給を取ったお礼でも言っているのか、ゆるくカールしたロングヘアの女性が課長の前でぺこりと頭を下げていた。横顔に浮かぶはにかむような表情は本当に幸せそうで、同性から見ても魅力的だった。
「いいなぁ」
 彼氏と旅行、かぁ――。
 思わずつぶやきながら手元のチョコに目を落とした。やや不規則に並んだ三つのチョコが勝利宣言のように見えてしまう。
 こういうとき、胸がちくりと痛む。普段からスマートでカッコよくて仕事ができる課長が二人っきりのときにだけ見せる顔を知っていることを誇らしく思うときもあるけど、でもこういう形での自慢はわたしには決してできない。もちろんそれは承知の上で、こういう関係を続けているのだけれど。
「じゃあ、ちょっと行ってくる」
 それでも、ノートパソコンとレジメを小脇に抱えた課長の明るい笑顔をほんの一瞬見ただけで、嬉しくなってしまう事実は動かせない。だから、わたしだけをじっと見つめてくれる、キスしてくれる、愛撫してくれる、そんな誰にも言えない濃密な時間が持てるというだけで、蕩けそうなほど幸せだった。

 -つづく-
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